「何て仰言ったかしら、この服の名?」 「“秋の吐息” ですわ。 ええ、これこそマドモアゼルのために 作られたようなドレスですわ」 秋 ―― そう、確かに。 私にとっては人生はもう秋だ。 私は春も、夏も、ついぞ知らなかった。 (中略) 失ったものはもう2度と手に入らない。 (中略) その間にも、生は片時も 歩みを止めなかった。 【A・クリスティー作 「ブルートレイン殺人事件」】 |
昨日の夕立は、単なる夕立では終わりませんでした。
ブログをアップした頃は、一旦、やんでいた雨。
その後、再び・・今度は延々と続いた雨と雷。
あれは、午後9時を少し回っていた頃だったでしょうか・・
いきなりの雷の音で肝を冷やしました。
瞬間、何が起こったのか分からないような・・。
“呆然と言うのはこんな事を言うのだわ” 妙に冷静な私がいます。
幸い停電をする事もなく、それを境に雨はやんだのですが・・。
今日も天気は不安定に。おまけに朝から雷ゴロゴロ。
気温の方は30度に達していませんが、湿度は高くなっています。
じっとしている分にはいいのですけれど。
さて、今日の写真。
この可愛らしい風鈴のような・・提灯のような花は 「アブチロン」。
いいえ、別名の 「チロリアンランプ」 こそ、ぴったりですね。
俯(うつむ)いて恥じらうようなこの花を見ているうちに、
後、もう少しで読み終える A・クリスティーから、
なぜか不意に 「秋の吐息」 という言葉が浮かんで来たのです。
いい加減な私の事、実はどんな意味だっていいのです。
響きがいかにも 「詩的」 でさえあれば。
尤も、この花、秋の花という訳ではないようですね。
ただ我家では毎年、今頃の季節に咲くものですから。
ところで今日は、嬉しい頂き物。大好きな葡萄です。
おまけに 「緑の宝石」 、マスカットも。
せいぜい味わって頂きます。