【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

エスプリ香る袖口の美学

2012-06-09 16:45:17 | ちょっとアンティーク



【「ロイス」 の金時計 & 「ツガリス」 の時計 】


【こちらは 「セイコー」(以上、いずれも機械式手巻き腕時計)】

チックタック ・・・ チックタック ・・・ チックタック ・・・
祖父じいさんのプライスが亡くなってから
炉辺荘に持って来た広間の古い
旧式分銅時計が時を刻んでいた ・・・
時というものが出来た時からあるような
悠々とした古い時計であった。
いつもはこの時計をジェムは好きだったが
今は憎らしかった。
ジェムを笑っているように思えた。                 
                 【「炉辺荘のアン」 第5章】


   こちらは雨の週末となりました。
  昨夜は良く降りましたが、今日は降ったりやんだり。

   いいえ、やんでいる時の方が多く、先程からは太陽も。
  やはり・・と言いますか、梅雨入りしたようです。
  ほぼ例年通りだとか。

   最近、何となく天候がおかしいと感じているものですから、
  この “例年通り” の言葉に妙にほっとするものを感じてもいます。

   ところで庭に出た私を待っていたもの。
  それは雨に打たれて倒れそうに
  なっていた、マーガレットの花。

   これも伸び過ぎたチェリーセージは、
  ポッキリ折れています。
  切り取って花瓶に。

   期せずして、お部屋の中は花一杯。
  嬉しい悲鳴を上げています。

   さて、冒頭の写真。
  珍しく時計を並べてみました。

   1日早いのですが、
  明日は 「時の記念日」 ですね。
  今日は、前倒しして時計の話題を。

   実は昨夜、本当に何気なく・・
  引き出しの中を開けたのです。

   そこに、いとも無造作に
  入れられている、腕時計の数々。

   とは言え、この引き出しは昨夜に限らず、
  これまでも何度となく開けています。

   でも “今は使わない物” という先入観があったせいか、
  じっくり見た事はありません。

   それに主人と違って私は腕時計には、
  ほとんど興味がありませんから。しかし昨夜は、なぜか気になって。
  そんな時、6月・・時の記念日・・と思い至ったという訳です。

   改めて見てみますと・・。
  これらの時計は、祖父から母から義母からと・・。
  その当時の思い出が鮮明に蘇って来て。

   それでも祖父の時計(スイス製・「ツガリス」)はとても見易くて、
  暫く身に付けていた事があります。(冒頭の写真・右上)
  一方、義母からの物は金時計。

   同じくスイス製「ロイス」ですが、1度も身に付けた事はなく、
  それこそ、引き出しの中に直行。

   でも今思いますと、腕に時計をしていない私を見て、
  義母はどんなに淋しかったでしょう。

   普段はしなくても、せめて会う時ぐらいは
  すれば良かったと・・今になって思います。

   1番新しい時計(グリーン)は、母から。これは、「セイコー」 です。
  それでも35年位、前でしょうか・・。

   いずれも機械式手巻きで、現役です。
  それこそ、職人技の時計ですね。


 


   こちらは、柱時計です。実家から持ち帰りました。
  左は 【明治時計(株)】 、右は 【佐藤時計製造(株)】
  両方共、明治時代に創業の老舗の会社ですね。

   まだまだ動くのですが、今日の引用文の如く、思い切り「チクタク」と・・。
  その日の気分によってはジェムの気持ちにも。
  ~なので、ついつい止めてしまいます。

   振り子は左右に力一杯、全力疾走。
  “そんなに頑張らなくても・・” と、つい思ってしまう私。
  時報を知らせる鐘は、本当に趣きがあるのですが・・。

   そんな古き良き時代の音が、うるさいなんて言って止めている私は、
  既に心の余裕を失っているのかも知れませんね。