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【トラディスカンティア】
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快晴の空となりました。
青空にたなびく白い雲を
眺めているだけで、
癒やされます。
こんな日は蝶も千客万来。
今日は、いつものアゲハ蝶とは
違う青い蝶が飛来。
生憎、止まる事はなく、
何処とも知らず飛び去って
しまいました。
この蝶、以前にも見掛けた
事がありますが、
その時も今日と同じ。
いいえ、あの時よりは
滞在時間が長かった事を
せめて喜ぶと致しましょう。
でも良くしたものですね。
今、トラディスカンティアの
白い小さな花が満開。
まるでそれは白い蝶が飛んでいるよう。
今日は、これで満足するとしましょう。
アン ではありませんが、想像力はこんな所でも役立ちますね。
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さて平成も24年。
いつの間にか昭和も随分、遠くなったように感じる昨今です。
そんな中、松本清張ファンを自認する私としては、いかにも遅く、
やっとの事で、「昭和史発掘」(全13巻) の1巻を読み終えました。
「昭和」 となりますと・・。
吉屋信子でお馴染みのセピア色の部屋へ。
何せ、昭和にどっぷり浸かる訳ですから。
この本は、斜め読み出来ませんから
落ち着ける場所がいいのです。
~なんて。
1巻は薄い本ですのに、結構、
時間がかかってしまいました。
こんな調子ですから、まだまだ先は長いですね。
尤も他にも色々する事があり、
中断を余儀なくされた事もあるのですが・・。
そのため又々、元に戻り・・という事の繰り返し。
思った以上に時間はかかってしまいましたが、
だからと言って面白くないという訳ではないのです。
重い事件の連続である事には間違いありませんが、
どれもこれも教科書では決して習う事のない歴史上の事件。
それらが文体は淡々と、内容は実に仔細に綴られているのです。
所謂(いわゆる)、小説ではなく、ドキュメンタリーですね。
おまけに清張お得意の検察調書的手法も至る所に。
この1巻は、「陸軍機密費問題」、
「石田検事の怪死」、「朴烈(ぼくれつ)大逆事件」 の3篇です。
「陸軍機密費問題」 は、今も昔も政治家のお金にまつわる問題を
あぶり出していますし、「石田検事の怪死」 は
文中にもありましたが、下山国鉄総裁怪死事件を彷彿させます。
この篇ではミステリー要素たっぷりですから、
氏の筆も冴えるという訳です。
~なんて。これこそ、私の先入観というものでしょう。
それにしても・・いつの世も権力に屈せず、
清廉潔白に物事を進めようとしている者(石田検事)への上からの圧力。
大正15年という時代背景もあるのでしょうが、
正しい事をやり遂げようとすると消されて? しまう理不尽さ。
つくづく考えさせられます。
そして 「朴烈大逆事件」。
この事件の内容は、朝鮮人朴烈が内妻金子文子と共謀して、
爆弾を持って摂政宮(天皇)を暗殺しようとたくらみ、
爆弾の入手準備中だったというもの。
前述の事件も根元となったのは、この事件のようです。
死刑判決の後、減刑され無期懲役。金子文子は獄中で自殺。
しかしながら、この事件をも検察の “でっちあげ” とか。
検察、刑事などがある目的(意図)を持って誘導する事の
怖さを思い知らされます。それは以下のように記されています。
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朴烈事件は、朴烈と文子との 過剰自供がうまうまと立松判事の策略にかかって 刑法第73条にでっちあげられたのである。 この条文には予備行為も大逆罪として成立すると あるが、朴烈と文子の場合はその予備行為すら 具体的に証明するものがない。 彼らの供述をみても、爆弾を手に入れたら 天皇と皇太子に投擲するつもりだったと 言うのみで、現実には爆弾の入手方法も 立っていない。爆弾は幻なのである。 (中略) とにかく、立松判事の成功は、 朴と文子の心理状態をよく読んだのと、 例の予審廷での優遇によったとみるべきだろう。 【松本清張著 「昭和史発掘1」】 |
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