久坂部 羊氏の作品。
久坂部氏は医師であられますが、本書であらたなご経歴を知りました。
現在老人デイケア、在宅医療などを従事されてゐますが医学部ご卒業後は
外務省外務医務官としてサウジアラビア、オーストラリアなどの日本大使館に勤務
されてゐたのですね・・・・
今までのご著書でも、厚労省の官僚がからむ作品がありましたが今回の作品も官僚・
政治がからんだ作品となつてゐます。
本作品のテエマは「安楽死」
日本では、「リビング・ウイル」「日本尊厳死協会」など治癒の見込みがない延命治療をやめて
くださいと言ふ本人の意思を書面で表し、この考えに賛成の医師が延命治療の停止を行なつてくれるやうになつてきてゐますが、オランダのやうに「安楽死」が法的に認められてゐるわけではありません。
しかし、高齢者が増えてゐる現在・・・・・・
患者本人が「治療」を苦しい、もふ止めてほしいと思つてゐる
家族がもふ耐えられない
等々
今でも多くの問題があると思ひますが
個人的に、「自分で自分のことができなくなつたら死にたい」あたくしは、尊厳死協会の会員となり延命治療を止めるやうにお願いする書類に署名済みです。
しかし
本書を読むと、患者本人だけの話ではなく、家族の気持ち、医師の気持ち等々それぞれの立場で感ぢることが表現されてをり、自分だけの問題ぢやないのか・・・・・ 自分の命なのに・・・?と思ふこともありました。
思ふのは本人の意思が一番大事では? 命は本人のものだし・・・・と思ふ。