世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

見立病院、弘前大の研究不正の究明はマスコミにかかっている!

2016-06-18 17:35:00 | 社会

佐藤敬弘前大学長らの論文不正に関する弘前大学の記者会見で次の事が示された。

「同大では、6月に入ってインターネットのブログ記事で、佐藤学長が関わる論文の取り消しがあったとの指摘を受け、調査を開始。」(m3.com 2016.6.17より

これは私のブログ記事だと推測する。リトラクションウォッチも報じたが3論文の撤回記事で佐藤敬学長の事を言及しなかったし佐藤敬学長が関わっていると明示的に最初に報じたのは本ブログだからだ

私は弘前大学が匿名ブログの指摘で調査を開始した事はいいと思うが、JAMAの調査依頼や懸念表明を無視した事は著しく不適切だと思う。JAMAが不正の疑いがある旨を公式に懸念表明し調査依頼したのはかなり重い。それを無視して私かリトラクションウォッチなのかわからないが、私人のブログの指摘でようやく動き始めるのは著しく不適切ではないか。

佐藤能啓は見立病院を退職して雲隠れし、他の著者は名誉著者を理由に逃げ切る戦略で、弘前大学は文科省ガイドラインに反して調査をせず、これからも実施予定はないという。これは明らかに隠蔽の意図だ。

本件の実態は悪質な捏造、改ざんを常態的に繰り返した事件で、脳梗塞の患者に葉酸とビタミンB12を投与すると骨折リスクが下がる等の重要な臨床研究の結果を偽って患者に害を与える危険を作る等社会的にも許し難い。佐藤能啓、佐藤敬ら他の共著者、見立病院、弘前大学等は雲隠れとトカゲの尻尾切り作戦で何とか社会的に重大な研究不正の責任をごまかそうとしている。

弘前大学が記者会見したのは本ブログ等の指摘でマスコミに取材されたので、佐藤敬学長は名誉著者で捏造、改ざんに関与していないので責任はない事をアピールするため先手をとったのかもしれない。ただ、これは佐藤敬がそう言っているだけで調査してみないと信憑性はない。

これから先の追究はマスコミや薬害オンブズパースン会議の追究がどれほど厳しいかにかかっている。たとえ有名人が顕名で活動しようと私人のブログではこれ以上の追究は無理だ。匿名の無名ブログの記事が論文撤回から約2週間で大学の公式記者会見や小さい記事でも全国新聞等の報道に結びつけられただけでも成功し貢献できた方だ。STAP事件の時もそうだったが、これほど早く報道されたのはネットの活動の貢献だ。早く報道され問題を世間に知らせる事ができれば、それだけ世間の関心を維持しやすく不正の隠蔽がしにくくなるし証拠の散逸も防げ、追究もしやすく原因や動機の究明、再発防止に役立つ。今後患者や研究者が害悪を受けにくくなる事にも役立つ。早く報道に結びつけられた事には価値がある。

しかし、ここから先はマスコミの力が欠かせない。ディオバン事件の時も最初は大学が不正を隠蔽しようとした。それを防いだのは毎日新聞とフライデーが大きく報じたからだ。それがなければ隠蔽されていた。今回も同様でマスコミの追究が緩ければ隠蔽されて終わるだろう。上で述べた悪質な研究不正はごまかされ、今後も同様の事件で患者が甚大な被害を受ける危険が続く。

現在は残念ながら強制調査権を持つ第三者調査機関はない。現在は匿名のネット活動、顕名の活動、マスコミがそれぞれの良さを活かして追究する事が最も実効力がある。見立病院、弘前大学の不正事件は現在マスコミの追究にかかっている段階だ。だから、私はマスコミの活動に期待する。

とはいいつつも本件はディオバン事件ほど大きくはないし、正直マスコミもどこまで追究するかよくわからない。所属機関が隠蔽にはしると新聞やテレビは報道がそこそこ難しいし、売り上げ等に結びつきにくいなら、ほとんど報じられず隠蔽されて終わる可能性もそこそこ高いと思っている。

これではまずいのだが、所属機関が適切に調査する気がないとこれが現状なんですよねー。前からずっと主張してますが、強制調査権を持つ第三者調査機関をはやく作りませんか?


子宮頸がんワクチン薬害研究班の捏造報道について

2016-06-17 21:00:00 | 社会

子宮頸がんワクチン薬害研究班の捏造報道があった。その1,2,3。あーあ。

「明らかに脳に障害が起こっている。ワクチンを打った後、こういう脳障害を訴えている患者の共通した客観的所見が提示できている」(TBS ニュース23)

「子宮頸がんワクチンを打ったマウスだけ、脳の海馬・記憶の中枢に異常な抗体が沈着。海馬の機能を障害してそうだ」(TBS ニュース23)

ところが報道によると「子宮頸がんワクチンを打ったマウスの脳にワクチンによる異常が発生したという科学的事実はなく、そもそも、このマウス実験はワクチン接種後に症状を訴えている患者とは何ら結びつけることができない実験だった」(WEDGE infinity 2016.6.17

記事がまだ全部公表されていないので信憑性は不明。

医療系研究不正は患者に害を与えるので非常に悪質。新三種混合ワクチンの捏造研究で予防接種を避けさせ大量の子供を麻疹にかからせ、医師免許を剥奪されたアンドリュー・ウェイクフィールドの事件を思い出す。

日本では最近は佐藤敬 弘前大学長や佐藤能啓 元見立病院副院長らのメコバラミンの医師主導臨床研究の不正等が報じられた。まだ報じられていないがHossein Hosseinkhani、田畑泰彦 京大再生研教授らの捏造、改ざん事件も一部で少し注目されている。

これらが解決するかはマスコミや市民団体等の追究がどれほど厳しいかにかかっているだろう。


岩本昌子、今泉勝己 久留米工業大学長、九大元副学長らの論文が盗用で撤回!

2016-06-17 00:00:01 | 社会

岩本昌子Masako Iwamoto経歴1経歴2食品科学等)中村学園大学栄養科学部教授、元九州大学生産資源科学研究科院生、今泉勝己Katsumi Imaizumi経歴食品科学等久留米工業大学学長、元九州大学理事・副学長、農学研究院教授らの論文が盗用で撤回された。

盗用論文と盗用、撤回公告写し

Masako Iwamoto, Masao Sato, Misaki Kono, Yoshitaka Hirooka, Koji Sakai, Akira Takeshita, and Katsumi Imaizumi(責任著者)
"Walnuts Lower Serum Cholesterol in Japanese Men and Women"
The Journal of Nutrition 、130(2)、 171–176、 2000

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For the article “Walnuts Lower Serum Cholesterol in Japanese Men and Women” by M. Iwamoto, M. Sato, M. Kono, Y. Hirooka, K. Sakai, A. Takeshta and K. Imaizumi, which appeared in the February 2000 issue of The Journal of Nutrition (J. Nutr. 130: 171–176, 2000) the undersigned authors would like to note the following:
This paper contains numerous statements reproduced in whole or in part from an article originally published by Sabate et al., “Effects of Walnuts on Serum Lipid Levels and Blood Pressure in Normal Men” [N. Engl. J. Med. 328:603–607 (1993)]. The New England Journal of Medicine holds the copyright to the 1993 publication. Because adequate attribution was not provided, the paper has been retracted.

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撤回公告より

盗用元の論文は

Joan Sabate, Gary E. Fraser, Kenneth Burke, Synnove F. Knutsen, Hannelore Bennett, and Kristian D. Lindsted
"Effects of Walnuts on Serum Lipid Levels and Blood Pressure in Normal Men"
N Engl J Med 1993; 328:603-607

元論文と盗用論文は同一の著者が誰もいないので、盗用論文が元論文を盗用したのは間違いない。「numerous statements」と言及されたので大量に盗用した。

岩本昌子は九大で博士(農学)を取得。

博士論文

岩本昌子 ”日本人の血清脂質レベルに及ぼすクルミ摂取の影響
九州大学 博士(農学)、甲第6041号、生資環博甲第0053号、2002年3月25日

盗用論文は2000年発行で、博士論文は2002年3月発行。通常課程博士は在学中の筆頭著者論文を博士論文の基礎にするし、タイトルを比較しても盗用論文が博士論文の基礎になった可能性がある。九州大学はこれについても調査する必要がある。

もし不正な方法で博士を取得し、昇進、採用されたならその点でも不正である。かつてアニリール・セルカンは盗用博士論文で得た博士をもとに採用された事が不正な方法による採用と判断され懲戒解雇相当の理由の一つになった

また北川浩史は自ら捏造、改ざんした論文をもとに群馬大学に採用された事が経歴詐称と判断され諭旨解雇相当になった

中村学園大学はこの点もきちんと調査する必要がある。不正な方法で採用、昇進するのは許されない。


弘前大学、佐藤敬学長の論文不正を調査せず!ガイドライン無視!

2016-06-16 21:10:00 | 社会

見立病院、弘前大学の論文不正に関する報道があった弘前大学は佐藤敬学長の論文不正を調査しないという。予想通り佐藤能啓以外はオノラリーオーサーだったという言い訳けで逃げ切る戦略のようだ。オノラリーオーサーも不正行為だが、弘前大学はその調査や処分も行わないようだ。

筆頭、責任著者だった佐藤能啓は2016年3月に見立病院を退職後、連絡がつかないという。トカゲの尻尾切り作戦。本件の実態は学術界だけでなく患者に対しても重大な影響を与えたおそれのある悪質な捏造、改ざん事件なのだが、どうも隠蔽する流れのように見える。このままマスコミの追究が緩ければ隠蔽されて終わるだろう。

佐藤能啓も見立病院を辞めて、後は知った事ではないという感じで逃げている。こういう弁明の放棄は不正を認めたと言ってもいいような気もする。以前も立石幸代 元国立環境研究所ポスドク悪質な捏造、改ざん論文の筆頭著者で筑波大学が聴取を試みたが、国立環境研究所を雇い止めになった後、連絡を一切せず逃げてしまった立石幸代の捏造、改ざんの責任は公式に認定されたが、国立環境研究所は一切処分しなかった。

本件もおそらく立石幸代元国立環境研究所)と同様に筆頭著者が退職後に逃げて、できる限り不正を隠蔽し、責任逃れする意図だろう。こういう無責任な態度は許し難い。

本件は研究者や医師の利益のために嘘の研究成果をでっちあげ、一流誌に成果を掲載し、患者を騙して期待した効果が出ないかもしれない医療を実施したおそれがある非常に悪質な事件だから、尚更不正の隠蔽、逃亡は許し難い。

こういう事を許すと今後の不正もうやむやにされ抑止効果が働かないし、再発防止策も作れない。

それに弘前大学は責任著者が論文掲載時に所属していなかった事を理由に調査しないと公言したが、これは文科省ガイドラインや弘前大学内部規程に反している。

「被告発者が複数の研究機関に所属する場合、原則として被告発者が告発された事案に係る研究活動を主に行っていた研究機関を中心に、所属する複数の研究機関が合同で調査を行うものとする。ただし、中心となる研究機関や調査に参加する研究機関については、関係研究機関間において、事案の内容等を考慮して別の定めをすることができる。」(文科省ガイドライン4-1、②

「上記①から④までによって、告発された事案の調査を行うこととなった研究機関は、被告発者が当該研究機関に現に所属しているかどうかにかかわらず、誠実に調査を行わなければならない。」(文科省ガイドライン4-1、⑤

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第4条 規程第3条に定める不正行為の告発があった場合,原則として本学が告発された事案の調査を行う。
2 被告発者が複数の大学,短期大学,高等専門学校,大学共同利用機関,国及び地方公共団体の直轄研究機関,独立行政法人,財団法人,社団法人及び企業等(以下「研究機関」という。)に所属し研究を行っている場合,原則として被告発者が告発された事案に係る研究を主に行っていた研究機関を中心に,所属する他の機関と合同で調査を行う。
3 被告発者が本学と異なる研究機関で行った研究に係る告発があった場合,本学と研究が行われた研究機関とが合同で,告発された事案の調査を行う。

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国立大学法人弘前大学の研究活動の不正行為への対応に関する細則規程第3条

ガイドラインや弘前大学内部規程では被告発者がどこに所属していようと調査しない事は原則許されない。弘前大学はこの点をどう説明するのか。単に責任著者が論文掲載時に所属していなかったというだけでは調査しない理由にならない。ガイドラインや内部規程に従えば見立病院と合同調査する義務があり、学協会等に調査委託する事もできる。それを行わないのは不公正で、調査すると不都合だからと疑われても仕方ない。

繰り返しになるが、本件は研究者や医師の利益のために嘘の研究成果をでっちあげ、一流誌に成果を掲載し、患者を騙して期待した効果が出ないかもしれない医療を実施したおそれがある非常に悪質な事件だから、不正の隠蔽、逃亡は断じて許されない。

本件は昨年5月19日にJAMA誌が懸念表明を出し、公式に調査依頼した。弘前大学はそれを無視した。もし調査していれば、佐藤能啓が見立病院を退職する前に調査を開始できた。いったい何をやっているのか。

見立病院や弘前大学の社会的責任が問われる。必ず調査を実施して真相や原因、動機を究明し、再発防止に努めなければならない。


ハナショウブ、アイリス、5月頃咲き花言葉は優しさ、優雅など、虹

2016-06-16 00:00:00 | Weblog

ハナショウブリンク先より

ハナショウブは上の写真のとおり奇麗な花です。

大辞泉の説明によると

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アヤメ科のノハナショウブから改良した園芸種。葉は剣状で中脈が隆起する。5、6月ごろ、紫色・白色・絞りなどの大きな花を開く。江戸時代から改良が始まり、品種が多い。栽培地は4~9月に水があり、他は乾く所が適する。しょうぶ。 夏》

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デジタル大辞泉より

皆さんはアイリスという花の名前を聞いたことがあると思います。

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アイリス(iris)

アヤメ科アヤメ属の単子葉植物の総称。アヤメハナショウブカキツバタなど。一般にはジャーマンアイリスダッチアイリスなどの園芸種をいう。

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デジタル大辞泉より

ハナショウブはアイリスの一種で5月頃に咲きます。花言葉は「優しさ」、「優雅」、「優しい心」など。英語ではJapanese irisとか単にirisという。アイリスはギリシア語の虹を意味するアイリスに由来する。ギリシア神話でイリスという虹の女神がいる。

リンク先より

虹は七色で奇麗ですね。

まとめるとハナショウブはアイリスの一種で5月頃咲き、花言葉は「優しさ」、「優雅」など、アイリスはギリシア語で虹を示すイリスに由来し、虹は七色である。

なるほどーと思った。


青山輝義、H.Hosseinkhani、田畑泰彦 京大らの論文が捏造等で撤回、計7報!

2016-06-13 01:00:00 | 社会

青山輝義Teruyoshi Aoyama関西電力病院泌尿器科部長元京都大学研究員Hossein Hosseinkhani経歴1経歴2写し)、生体材料)国立台湾科技大学副教授、元京都大学院生、田畑泰彦Yasuhiko Tabata経歴不正発覚時57歳生体材料等)京都大学再生医科学研究所生体組織工学研究部門生体材料学分野教授の論文が捏造、改ざん等で撤回された。

Hossein Hosseinkhani不正による撤回論文数は計7報田畑泰彦不正論文の撤回数は6報、うち確認できる範囲で責任著者のものは5報

(7)捏造論文と捏造、改ざん、撤回等公告、撤回公告日 2016年6月2日(オンライン)

Teruyoshi Aoyama青山輝義関連), Hossein Hosseinkhani, Shingo Yamamoto, Osamu Ogawa, Yasuhiko Tabata(責任著者)
"Enhanced expression of plasmid DNA–cationized gelatin complex by ultrasound in murine muscle"
Journal of Controlled Release Volume 80, Issues 1–3, 23 April 2002, Pages 345-356

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This article has been retracted at the request of the Editor in Chief because of concerns about several of the figures.
Figures 5(A) and 5(C) are identical, and the entire Figure 5 (A)–(E) has been reused in references [1] and [2].
 
[1] Hosseinkhani H, Tabata Y Ultrasound enhances in vivo tumor expression of plasmid DNA by PEG-introduced cationized dextran. [http://doi:10.1016/jjconrel.2005.08.027] Journal of Controlled Release 108 (2005) 540–556
[2] Hosseinkhani H, Kushibiki T, Matsumoto K, Nakamura T, Tabata Y Enhanced suppression of tumor growth using a combination of NK4 plasmid DNA-PEG engrafted cationized dextran complex and ultrasound irradiation. [http://doi:10.1038/sj.cgt.7700918] Cancer Gene Therapy 13 (2006) 479–489

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撤回公告より) (注)「Figures 5(A) and 5(C) are identical」とあるが「Figures 5(B) and 5(C) are identical」が正しいと思う。

撤回論文のレジェンドをみると「Fig. 5. Tissue appearance of mouse muscles following the intramuscular injection of pSV–LacZ–cationized gelatin complexes with or without the subsequent US irradiation. US irradiation for 60 s was performed 10 (C), 120 (D), and 180 min (E) after injection of the complex containing 50 mg of pSV–LacZ and the treated muscle was observed 2 days later: (A) neither the complex injection nor US irradiation, (B) the complex injection, and (C–E) the complex injection and US irradiation.

異なる条件に同じ画像を流用したのだから捏造、改ざん。この1件だけみると過失と思うかもしれないが、同様の不正を大量に行っており故意と言われても仕方ない。他にも図の再使用の不正があった。

博士論文

Teruyoshi Aoyama青山輝義関連
"Improvement of technology for non-viral gene delivery system using DNA-cationized gelatin complex"
京都大学 博士(医学)、甲第10098号、2003年3月24日、要旨写し

青山輝義が筆頭著者の撤回された捏造論文は2002年4月23日発表、青山輝義の博士は2003年3月24日に授与。まさか・・・。

京都大学には公正な対応を期待する。


青野求(Motomu Aono)元名城大が論文盗用、減給

2016-06-13 00:00:00 | 社会

青野求(Motomu Aono)元名城大学農学部助教授が論文を盗用し減給となった[1]。現在は名城大の教員検索で出ないので離職した。青野求の専門はよくわからないが、盗用論文や他の文献を調べると、環境に関する分析化学のような分野。

盗用論文

青野求 「イオンクロマトグラフィーによる酸性雨成分の解析」 知の結集2001、名城大学

不正報道時 2002年6月18日
発覚の経緯 盗用元の著者、田中一彦(不正報道時 名古屋工業技術研究所研究員)の告発[1]。
不正の態様 相当部分重複[1]。詳細不明。
不正の原因、動機 不明。ただ、青野求は「研究内容を高校生にも分かりやすく紹介する趣旨の記事であり、論文を盗用したわけではない[1]」と弁明。

この事件は情報がほとんどなくよくわからない。

参考
[1]朝日新聞 2002年6月18、19日、直接的にはリンク先写し)。


李 慶權、米原 伸 京大の論文の不適切さ、訂正

2016-06-12 01:00:00 | 社会

李 慶權 京大生命科学研究科助教、米原 伸 京大生命科学研究科教授の論文の不適切さが訂正された。

訂正公告写し)、訂正公表日 2016年2月26日

Kyung-Kwon Lee(責任著者) and Shin Yonehara
The Journal of Biological Chemistry, 287, 9568-9578. March 16, 2012写し

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On page 9570, identical data were inadvertently used to represent different experimental conditions in Fig. 1, A and C. In Fig. 6A, on page 9574, the Myc immunoblot was missing data for the negative control lane. These errors have been corrected, and replicate data were provided to replace the P-JNK, P-p38, and HSP90 panels in Fig. 1A and the YAP and Hsp90 immunoblots in Fig. 1C. These corrections do not affect the results and conclusions of this work.

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訂正公告より

この論文は去年にPubPeerで指摘があって少し話題になった。訂正公告で「identical data were inadvertently used to represent different experimental conditions in Fig. 1, A and C.」と書かれた。PubPeerの指摘をみると、私は故意だと思う。指摘のとおり、上下反転の切り貼りを見てしまうとinadvertentlyと思えない。

ただ、この指摘は去年の7月11日に紹介した時も言及したが、この程度なら生データや実験ノートを見せて説明すれば不正は認められず訂正で済むだろうと述べた。京大の研究不正認定の公表はない。そもそも調査されたのか不明。

京大はこの件の捏造、改ざんを認定せずに済んだかもしれないが、Hossein Hosseinkhani、田畑泰彦の捏造、改ざんはどう扱うのかこちらは不正の量と加工等の態様、何より学術誌が事実上捏造、改ざんを認定して強制撤回した事を考えると、公正に扱うなら非常にきついように思うが、大量疑義事件の扱いがあるから最後までわからない。

京大の公正な対応を期待する。


H.Hosseinkhani、小林尚俊 物質・材料研究機構らの論文が捏造等で撤回

2016-06-11 23:59:59 | 社会

Hossein Hosseinkhani経歴1経歴2写し)、生体材料)国立台湾科技大学副教授、元物質・材料研究機構若手国際研究センター小林尚俊Hisatoshi Kobayashi経歴、高分子材料)物質・材料研究機構生体材料センター高次機能生体材料グループ グループリーダーらの論文が捏造、改ざん、重複発表で強制撤回された。

Hossein Hosseinkhaniの論文撤回は合計6報目。

不正論文と捏造、改ざん、重複、撤回公告、撤回公告日 2016年6月2日.

Hossein Hosseinkhani(責任著者), Mohsen Hosseinkhani, Ali Khademhosseini, Hisatoshi Kobayashi.
"Bone regeneration through controlled release of bone morphogenetic protein-2 from 3-D tissue engineered nano-scaffold"
Journal of Controlled Release Volume 117, Issue 3, 26 February 2007, Pages 380-386

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This article has been retracted at the request of the Editor in Chief because of widespread plagiarism of text, notably from references [1] and [2].
In addition, Figure 1 was previously published as Figure 2b in reference [2], describing different experiments (BMP-2 and bFGF, respectively).
 
[1] Hosseinkhani H, Hosseinkhani M, Tian F, Kobayashi H, Tabata Y Ectopic bone formation in collagen sponge self-assembled peptide-amphiphile nanofibers hybrid scaffold in a perfusion culture bioreactor. [http://doi:10.1016/j.biomaterials.2006.05.050] Biomaterials 27 (2006) 5089–5098
 
[2] Hosseinkhani H, Hosseinkhani M, Khademhosseini A, Kobayashi H, Tabata Y Enhanced angiogenesis through controlled release of basic fibroblast growth factor from peptide amphiphile for tissue regeneration. [http://doi:10.1016/j.biomaterials.2006.08.003] Biomaterials 27 (2006) 5836–5844

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撤回公告より

撤回理由は2つあり、「widespread plagiarism of text, notably from references [1] and [2].」と書かれているが元になったのはどちらもH.Hosseinkhaniらの論文なので、このケースは自己盗用、つまり重複発表。

Figure 1 was previously published as Figure 2b in reference [2], describing different experiments (BMP-2 and bFGF, respectively).」は異なる実験条件に画像を流用したのだから捏造、改ざん。この件だけだと1画像だけだから過失と思うかもしれないが、Hossein Hosseinkhaniは少なくとも4論文で画像重複使用で撤回になっており、大量に同様の不正を続けた事から過失という言い分は通じないだろう。不正論文による撤回の紹介1,2.

Hossein Hosseinkhaniは常態的に悪質な不正を繰り返したという感じ。前に紹介したとおり、京大で博士号を取得し、その基礎になった論文にも捏造があって強制撤回された。京大とNIMSは博士論文を含めてHossein Hosseinkhaniの論文を全部調査した方がよい。他にも不正がある可能性はそこそこ高い。

それにしても今回も編集側による強制撤回。一般に非常に不名誉だ。著者は研究者としての倫理意識が全くなく、悪質で明白な捏造等のために撤回したと公言されているようなものだ。

田畑泰彦だけでなく小林尚俊らも同様なのか。通常は編集側が強制撤回する前に必ず自主撤回を促されるはずだ。明らかに間違っている、不正な論文だとわかっていながら故意に撤回しないのは、他の研究者が誤りで被害を被っても構わないという態度だから背信的で研究者倫理に反する。

物質・材料研究機構(NIMS)も本件にきちんと対応してほしい。


Hossein Hosseinkhani、田畑泰彦、不正で2論文撤回、撤回は計5報!

2016-06-11 23:00:00 | 社会

Hossein Hosseinkhani経歴1経歴2写し)、生体材料)国立台湾科技大学副教授、元京都大学院生、田畑泰彦Yasuhiko Tabata経歴不正発覚時57歳生体材料等)京都大学再生医科学研究所生体組織工学研究部門生体材料学分野教授の2論文が不正のため強制撤回された。田畑泰彦らの論文撤回は合計5報。

(4)不正論文と不正、撤回公告、撤回公告日 2016年6月2日(オンライン)

Hossein Hosseinkhani, Teruyoshi Aoyama, Osamu Ogawa, Yasuhiko Tabata(責任著者)
"Tumor targeting of gene expression through metal-coordinated conjugation with dextran"
Journal of Controlled Release Volume 88, Issue 2, 7 March 2003, Pages 297-312

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This article has been retracted at the request of the Editor in Chief because of concerns about several of the figures.
Figures 7 (A)(2), (B)(2), (B)(3) and (C)(3) are identical to Figures 6 (A), (B), (C) and (D) in reference [1] and Figures US(-)(3), US(+)(1), US(-)(4) and US(+)(4) in reference [2].

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撤回公告より

(5)撤回論文と撤回公告写し)、

Hossein Hosseinkhani, Mohsen Hosseinkhani, Tian F, Kobayashi H, Yasuhiko Tabata.
"Bone regeneration on a collagen sponge self-assembled peptide-amphiphile nanofiber hybrid scaffold."
Tissue Eng. 2007 Jan;13(1):11-9.

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During an investigation for potential unethical conduct in their published work in other scientific journals, it was discovered that not all the coauthors of the above-named article participated in the research reported in the paper, nor did they approve the submission of the manuscript. As a result, the editorial leadership has decided to officially retract the article based on disreputable behavior.

Tissue Engineering is committed to the highest standards of scientific content and integrity, and does not tolerate such improprieties.

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リトラクションウォッチより

他の3報は前に紹介した。捏造、改ざんが撤回理由。これは結構大事ではないか。

なお、(5)の第2著者のMohsen Hosseinkhani約45歳)も京大で博士を取得。

博士論文

Mohsen Hosseinkhani
"Trichostatin A induces myocardial differentiation of monkey ES cells"
(トリコスタチンAはサル胚性幹細胞の心筋への分化を促進する)
京都大学、博士(医学)、甲第13295号、2007年5月23日、要旨写し

この博士論文は山中伸弥氏が審査員。

Mohsen Hosseinkhaniはなんと米Mount Sinai Medical Centerを解雇された後に同センターに2度侵入し価値のある材料を窃盗[1]。さらに実験用マウスの名前タグを交換して研究を妨害した[1]。この罪で刑事告発された[1]。さらにMohsen Hosseinkhani当局にパスポートを没収されたのにイランへ逃げた[2]。必然的に密出入国。Mohsen Hosseinkhani逮捕状が出された[2]。

Mohsen Hosseinkhaniは悪質な犯罪者。Hossein Hosseinkhaniとどういう関係だろう?兄弟、親類?Mohsen Hosseinkhaniも倫理意識がない。犯罪や米国の病院を解雇された事と博士論文の件は全く関係ないが、余りの倫理意識のなさから大丈夫かと思う。

参考
[1]The New York Times写し) 2011.12.2
[2]New York Daily News (写し) 2012.1.18


薗部佳史(Yoshifumi Sonobe)名大らの論文の不適切さが訂正

2016-06-11 00:00:00 | 社会

薗部佳史(Yoshifumi Sonobe)名古屋大学大学院医学系研究科神経免疫学GCOE特任助教らの論文の不適切さが訂正された。薗部佳史の不適切論文発表時の所属は名大環境医学研究所神経免疫学分野。

不適切論文と訂正公告写し)、2016年6月10日公告。

Yoshifumi Sonobe(責任著者), Hideyuki Takeuchi, Kunio Kataoka, Hua Li, Shijie Jin, Maya Mimuro, Yoshio Hashizume, Yasuteru Sano, Takashi Kanda, Tetsuya Mizuno and Akio Suzumura
"Interleukin-25 expressed by brain capillary endothelial cells maintains blood-brain barrier function in a protein kinase Cϵ-dependent manner. "
The Journal of Biological Chemistry、284(46)、31834-31842.

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The wrong tubulin immunoblots were used in Fig. 5, B and C. Because the original data were no longer available, the experiments depicted in Fig. 5, B and C, were repeated, and the results are shown in the corrected Fig. 5, B and C. This correction does not change the results or the conclusions of this work.

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訂正公告より

今回はなぜ間違ったのかを少し追究してみたいと思います。

注意 赤枠、FIGURE 5.、claudin-5、α-tubulinは説明のため著者が編集で追加。論文

訂正公告によると「The wrong tubulin immunoblots were used in Fig. 5, B and C.」、具体的には赤枠の部分です。2つを比べるとよく似ていますが、少し違います。なるほどー。

なお、2014年以前とそれ以降では生データ等の取り扱いや生データ等がなかった時に不正の疑いを覆せなかった時のルールが違います。具体的には文科省QAのQ2-20、A2-20となります。名古屋大学は文科省ガイドラインやQAを厳正に遵守する必要があります。

本件が発覚した経緯や今後どうなるかはわかりません。