世界変動展望

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国立環境研究所30代女性研究者らの捏造疑惑について

2012-12-26 23:31:01 | 社会

岡川梓と立石幸代の件についての公表。

岡川梓(Azusa Okagawa)国立環境研究所研究員らの研究発表に捏造、改ざん、業績水増し、その隠蔽などの疑義が指摘されていますPDF写し

岡川梓らは疑義の質問に対しReraction Watch上での反論を放棄。質問への反論も放棄。(写し)

岡川梓らは学会から誤りを指摘されても論文の訂正すらせず放置。

岡川梓らの不正なメガコレクション写し1写し2)、研究機関の不当な扱い、メガコレクション公告、白楽ロックビル お茶の水女子大学名誉教授の公式サイトに掲載された文献1不正行為者リスト写し、リンク先表の上の検索で「岡川梓」と入力すると表示)

訂正公告でさえ定性的結論が破綻。岡川梓が「約5年間に発表したほぼ全ての研究発表である博士論文・論文等10報以上に結論・主旨・大部分の分析結果の破綻が生じ、撤回相当」リンク先より写し1写し2トップジャーナルに掲載された別の研究論文などで定性的結論が否定されている。

捏造の隠蔽のために極めて基本的情報である削減率を意図的に虚偽記載し、政策の定量評価が主旨なのに全分析結果、主旨、結論の一部を訂正。

詳しくはリンク先写し1写し2

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以下の件は立石幸代の件で2014年3月31日に調査結果が公表されました。下の最初の論文(MCB 2006 Nov;26(21):7966-76)の改ざんが認定されました。柳澤純柳沢純)筑波大教授と村山明子同大元講師(写し1写し2村山明子柳澤明子柳沢明子柳沢ファミリークリニック医院長写し))の責任が認定され、両氏は退職。下の論文の不正実行者は共著者の学生のうちの誰か。立石幸代写し1写し2)、Raku Sonooの関与は不明。セル論文の不正実行者は村山明子と認定。立石幸代とRaku Sonooは調査委員会のメールでの聴取に回答しませんでした。不正実行者という指摘への反論を放棄したと言われても仕方ないです。しかし立石幸代らは不正論文の責任を負う者(筆頭著者)と公式に認定されました。今後、筑波大学や国立環境研究所が柳澤純、村山明子、立石幸代らをどのように処分するのか注目されます。立石幸代の博士論文はどうなるのでしょうか。

筑波大学の公表トップ写し)、報告書(概要)写し1写し2)、報告書写し1写し2)、毎日新聞日本経済新聞ニッカンスポーツ(オリジナルは共同)NHKニュースその他)、テレ朝newsTBS News

なお、柳澤純柳沢純)と村山明子写し1写し2村山明子柳澤明子柳沢明子柳沢ファミリークリニック医院長写し))は夫婦。

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2014年7月22日に懲戒処分相当が公表されました(写し写し2)。村山明子氏が諭旨解雇相当、柳澤純氏が停職6月相当。国立環境研究所は立石幸代氏に対する懲戒処分相当を公表しませんし、懲戒処分を検討している様子さえありません。公式に不正実行者と認定されているのは村山明子だけで、下の論文の不正は共著者の学生のうち誰かが行ったものとされています。村山明子はセル論文の不正実行者です。共著者の村山明子が諭旨解雇相当、責任著者だった柳澤純氏は停職6月相当。特に村山明子は不正に関与していないが意図的加工のあったEMBO論文の筆頭著者としての責任を重く判断され懲戒処分の要因になりました。にも関わらず不正論文の筆頭著者だった立石幸代氏がなぜお咎めなしで済むのでしょうか?筑波大学の調査結果においても立石幸代は不正論文の責任を負う者(筆頭著者)と公式認定されています。立石幸代氏は研究者番号を持っておらずすでに国立環境研究所を雇い止め(事実上の解雇)になったと推測されますが、村山明子氏と柳澤純氏は辞職後に懲戒処分相当を受けました。彼らが処分を受けたのに国立環境研究所が立石幸代氏を何の処分もしないのは道理が通らないのではないでしょうか。

また筑波大学は立石幸代氏の博士論文と博士号をどうするつもりでしょうか?このまま何もしないまま幕引きとなるのでしょうか。もっというと村山明子氏と柳澤純氏は東大分生研事件の被疑者でもあり、同事件はまだ最終結果と処分が出ていません。両氏は不正実行者という疑いもあります。現段階で村山氏、柳澤氏をこの程度の懲戒処分相当で済ませた筑波大学はさらなる不正が判明した時に両氏をきちんと懲戒解雇相当にするのでしょうか?東大分生研事件は告発から2年半以上経過しており、とっくに懲戒処分が出ていなければならない時期です。「東大の調査が遅かったから両氏に対する懲戒解雇は行わない」などという弁明は処分の不当逃れであり許されないと思います。

読売新聞

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最近筑波大学生命環境科学研究科の柳澤純のグループが発表したMCB論文に訂正が公表された。

『original article: Tateishi et al:Mol Cell Biol. 2006 Nov;26(21):7966-76. Epub 2006 Aug 28.

Turning Off Estrogen Receptor β-Mediated Transcription Requires Estrogen-Dependent Receptor Proteolysis

    Yukiyo Tateishi (筆頭著者),
    Raku Sonoo (筆頭著者),
    Yu-ichi Sekiya,
    Nanae Sunahara,
    Miwako Kawano,
    Mitsutoshi Wayama,
    Ryuichi Hirota,
    Yoh-ichi Kawabe,
    Akiko Murayama,
    Shigeaki Kato,
    Keiji Kimura and
    Junn Yanagisawa (責任著者)

+ Author Affiliations

    Graduate School of Life and Environmental Sciences, University of Tsukuba, Tsukuba Science City, Ibaraki, Japan; Ankhs Incorporated, Tsukuba Industrial Liaison and Cooperative Research Center, University of Tsukuba, Tsukuba Science City, Ibaraki, Japan; Institute of Molecular and Cellular Biosciences, University of Tokyo, Bunkyo-ku, Tokyo, Japan

AUTHOR'S CORRECTION

Volume 26, no. 21, p. 7966–7976, 2006. Some GAPDH (glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase) panels of Western blots were duplicated inFig. 1E, 5A, 6A, and 6B. In Fig. 2A, panels for estrogen receptor β(K4A) [ERβ(K4A)] and GAPDH were duplicates of those for ERβ and GAPDH. Since we could not identify the original GAPDH panels which were set with ER panels, we have repeated the experiments and now provide corrected panels. None of these corrections change any of the results or conclusions of the paper. We apologize for any confusion these errors might have caused.

Page 7968, Fig. 1E: The ERα and associated GAPDH panels should appear as shown below.

[3]』

論文の筆頭著者は立石幸代(国立環境研究所環境健康研究センター写し、[1])とRaku Sonoo。Raku Sonooに関してはネットで調べても所属等の情報が見つけられなかったので現所属は不明。立石は現在はどうだかわからないが、2011年11月頃は国立環境研究所に所属していたようだ[1]。2012年3月21日受付、6月8日受理の論文でも同所属になっている[1]。現在所属している可能性もある。少なくともネットで確認できる直近の立石の所属は環境研だし、[4][6][7]で不正が指摘されたときの立石の所属は環境研なので本稿では立石は環境研の所属と扱う。

立石は2005年3月に筑波大で博士(学術)を取得し、ポスドクになったようだ[1][2]。年齢は30代。実験の主たる実行者で最大の責任があるのは筆頭著者だから、この件で不正があれば立石らの責任は免れないだろう。

著者は他にも村山明子(筑波大講師)、柳澤純(筑波大教授)、加藤茂明(東大元教授)がいる。柳澤純が責任著者。彼らの名前を聞いてピンとくる人もいるだろう。村山は加藤茂明事件の共犯者と疑われている人物だ[4]。加藤茂明に関してはいうまでもない。

さて、この件は表向きは画像がいくつか重複してしまったので訂正したということになっている。それが故意か過失かは言及されていない。捏造等の不正があれば通常訂正ではなく撤回になる([5])から、訂正で済んだところをみると過失だったと思う人は多いかもしれない。確かにこれだけをみれば過失と思うだろう。

しかし、この論文に関しては捏造疑惑が指摘されている[6]。[6]-その1をみると、6,7件データ流用があったと指摘されている。捏造の真偽はどうだろうか?その判断のために重要なことが、訂正公告中に述べられている。

「Since we could not identify the original GAPDH panels which were set with ER panels, we have repeated the experiments and now provide corrected panels.」(参考訳- ERパネルで使用したオリジナルのGAPDHパネルを確認できなかったので、実験をやり直して修正したパネルを提供した。)

要するに生データが不存在ということ。これは重大な欠点。捏造が事実でなくても、懲戒処分を受けても仕方ない。文科省のガイドライン等では生データの不存在で不正の疑いを覆せない場合は不正と認定されるというルールなので、捏造を認定されても仕方ない。生データがないのはおそらく捏造したのでデータがないということだろう。

この件については、どういう経緯で訂正が公告されたのか不明。加藤茂明事件に関する東大の調査で訂正が出たのかもしれない。又は上でもいったように加藤茂明事件の共犯者と目される人物が共著者になっているので、加藤事件の調査が筑波大でも行われていて、その過程で訂正が出たという推測があり得る。ただ、この論文は告発者のページを見る限り加藤事件の告発論文に含まれていないので、東大や筑波大の調査で訂正が行われなかった可能性も否定できない。

[7]のサイトの運営者は2012年2月に柳澤純らの不正を筑波大に通報して予備調査が開始されたと言及しているので、この件で筑波大で調査が進んだという可能性も考えられる。

もともと文科省のガイドラインでは著者の所属機関と旧所属機関の合同で調査されるということになっているから、立石の現所属機関である環境研で調査が行われ、訂正が出たということかもしれない。

加藤茂明事件と関係があるのか、どういう経緯で訂正が出たのかなど詳しいことは不明だが、不正の調査の過程で訂正が出たのだろう。

訂正が出たところをみると、ひょっとして著者やその所属機関はこれで済んだつもりなのかもしれない。仮にそうならば、不適切だ。訂正で済ませたところをみると著者は不正を否定するつもりだろうが、この件は6,7件もデータを使いまわしたのだから、故意を認定するのが自然だし、生データが存在しないのだから規定どおり捏造を認定しなければならない。少なくとも生データが存在しなことに対して著者の責任を問わないことは不適切だ。少なくとも主たる実験の実行者で最大の責任者である立石、Sonooや責任著者の柳澤純は本件について責任をとらなければならない。

国立環境研究所や筑波大学から本件について懲戒処分が出たという公表はないから、懲戒処分はまだ出ていないのだろうが、懲戒処分が出ないという著しく不適切な対応がないとよい。

立石らに対してはさらに別の論文で捏造が指摘されている[6]。[6]-その2をみると以下の論文に捏造が指摘されている。

EMBO J. 2004 Dec 8;23(24):4813-23. Epub 2004 Nov 11.
Ligand-dependent switching of ubiquitin-proteasome pathways for estrogen receptor.
Tateishi Y (筆頭著者), Kawabe Y (筆頭著者), Chiba T, Murata S, Ichikawa K, Murayama A, Tanaka K, Baba T, Kato S, Yanagisawa J (責任著者).

立石らが筆頭著者、柳澤純は責任著者、加藤、村山も著者になっている。[6]その1の捏造指摘の一部はこの論文のデータとの重複を指摘しているので、[6]その2の指摘と一部重なるが、[6]その2の上から3番目の指摘は独立のもの。画像張り付けの痕跡と思われる不自然な切れ目が存在する。こういうのは意図的に画像操作したと考えるのが自然で言い分けは通じないだろう。

この論文には訂正は出されていない。2004年11月発行で立石の博士号取得が2005年3月だから、おそらくこの論文は立石の博士論文の審査対象の一部だ。その論文が撤回されたら立石の博士号は取り消しということもあるかもしれない。もっとも、対処するとしても立石の博士号に影響を出さないためにもMCB論文と同じくわざと訂正で済ませるのだろうが。

論文2編でこれだけたくさん捏造疑惑を指摘され、筆頭著者が不正の責任をとらされなかったら著しく道理に反する。責任著者も同様である。柳澤純は他の論文でも不正疑惑がある。

立石らの事件や加藤茂明事件は不正疑惑が発覚してから十分な期間たっても未だに調査結果や懲戒処分が公表されない。日本分子生物学会が迅速な調査結果の開示を求めたように、多くの人が調査機関や所属機関の対応に厳しい目線を向けている。

国立環境研究所などは国民からそういう目線で見られていることを忘れないでほしい。くれぐれも不正の隠蔽や激甘処分をしないでほしい。

参考
[1]立石幸代の紹介国立環境研究所写し1写し2写し3)。環境研のページによると立石は2011年頃は国立環境研究所環境健康研究センターに所属していたことがわかった。ただ、現在公開されている名簿等をみても立石の名前がないので、辞職していたり別機関に所属している可能性はある。少なくとも懲戒処分を受けて解雇されたという公表はないので、国立環境研究所を解雇されたということではないようだ。念のためにいうと、2012年12月26日現在に環境研の懲戒処分公表をみると、2009年12月に減給処分が出たという公表だけだった。

2011年11月の口頭発表の案内で立石が国立環境研究所環境健康研究センターに所属しているという記載がある、さらに2012年3月21日受付、6月8日受理の論文では同所属なので、本件について告発を受けた時の所属は環境研だと考えられる。文科省の規定によれば告発を受けた時の現所属機関等に調査義務がある。

[2]立石幸代の博士論文 国立国会図書館 2005.3.25
[3]MCB論文の訂正 2012.12.26閲覧
[4]加藤茂明事件の告発ページと村山明子が筆頭著者となっている論文の捏造疑惑
[5]捏造等の不正があれば撤回されるのが通常というのはあくまで私の主観。私が見た多くの論文は不正があれば撤回されていた。ただ、最近加藤茂明事件で日本分子生物学会が論文の撤回だけでなく訂正を要求していたことを考えると、不正があっても論文の結論を毀損しないなら訂正で済ませるのも許されるという考えもあるのかもしれない。その場合は捏造等があっても訂正で済むのだろう。
[6]立石らの論文への捏造指摘-その1。別の論文への捏造指摘-その2
[7]柳澤純グループの不正疑惑を筑波大に指摘したというネット情報。2012.2

(発表日 2012-12-26 23:31:01)

(2013.12.27追記)

加藤茂明事件の中間報告が出ました。この記事で言及した2論文は中間報告で発表された不正論文に含まれていません。しかし、それは不正がなかったからではなく調査対象から外れていたためです。中間報告によると加藤茂明が責任著者になっているか加藤研の人が筆頭著者になっている論文で加藤の東大在籍以降のすべての論文を調査したと言及されているので、この記事の2論文は調査対象外です。筑波大に質問したところ柳澤研独自の不正疑惑については同大で調査されているそうです。



2 コメント

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世の中には (S.mamoru)
2014-02-20 21:42:08
>実験の主たる実行者で最大の責任があるのは筆頭著者だから、この件で不正があれば立石らの責任は免れないだろう。

ほかの論文で、免れている筆頭著者もいらっしゃるようですが・・・
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Unknown (Unknown)
2014-03-12 19:07:28
柳澤さんは3月いっぱいで筑波大学をやめるらしいよ
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