世界変動展望

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もっと裁判官の職権独立実現を

2008-04-26 00:31:02 | 社会
 裁判で無罪判決や違憲判決が少ないことには政府からの圧力が大きいのは間違いないだろう。検察は行政機関であり、無罪判決を出されれば出世に響く。違憲判決を出されれば政治が安定して運営できない。その事に起因する圧力があるに違いない。
 確かに違憲判決については、裁判官は国民から選任されたわけでなく民主制の基盤が薄く、統治機構に関る高度に政治的な問題には判断を慎むべきという考えがある。さらに、違憲判決を出すことで政治機関が無力化し混乱が起きるのを回避すべきという考え方もある。
 しかし、政府への言論やデモ活動等、民主性の基礎にある問題に対しては違憲判断を躊躇すべきでない。民主制の瑕疵は政府外で回復すべきだからだ。
 それに、本来無罪となるべき人が検察官の出世や行政機関からの圧力のために有罪にされることがあってはならない。
 裁判官はそのために職権の独立が憲法上保障されているが、それでも不十分のようだ。最高裁判所が政府の影響を受け、政府に有利な判断をしているし、その影響を通して下級裁判所も政府に有利な判断を下している。政府の意向や最高裁の判断に逆らった判断をすると左遷や裁判長をさせない等の不利益を与えて、生涯年収で1億円近く違う差別扱いをしたことも少し前はあったようだ。
 違憲判決や無罪判決が政府からの圧力で出せないのだから困ったものである。なにかしらの方法で裁判官の職権の独立を今以上に強く保障する必要がある。
 弁護士増加で各地の弁護士会から反対が多くよせられているが、裁判官は年間240件程度事件を処理しているのだから、裁判官増加は必要不可欠だ。検察官も同様に大変に忙しい。なぜ最高裁や法務省は裁判官・検察官の人員増加をしないのだろう。給与が高額で予算を組むのが難しいからかもしれない。その点は仕方ない。しかし、事件数が将来増えても裁判官が裁けなければ本末転倒だし、予算はよく考えた方がいいだろう。裁判官の職権独立がより強固になる制度が必要だ。