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森山盛吉(Moriyoshi Moriyama)東北学院大が論文盗用で出勤停止6月!

2016-05-07 20:00:00 | 社会

森山盛吉Moriyoshi Moriyama処分公表時51歳、現在約57歳、英文学)東北学院大文学部准教授が論文盗用で出勤停止6月となった

削除公告写し)、新聞報道写し関連)と公開情報(修正前修正後を比較)によると盗用論文は

森山盛吉 「Hawthorneの虚構の周辺に生きるピューリタンの実像--Hawthorneの作品におけるピューリタンの可能性を発端として
東北學院大學論集 英語英文学 第94号、p1~23、2010年3月16日

※ 公式ページでは「東北學院大學論集 English language & literature」と表記。

処分公表日 2010年11月19日
処分日   2010年10月21日
発覚の経緯 森山盛吉が2010年3月25日に「翻訳として載せるべきだった」と論文取り下げを申告。
盗用の態様 1991年に他者が発行した海外の論文の約94%を翻訳し自分のものとして発表
不正の原因、動機 河北新報(2010年11月20日)によると森山盛吉は「論文提出時に公務が重なって混乱し、判断力が落ちていた」と言及。
盗用の認定理由 毎日新聞(2010年3月31日)によると森山盛吉は海外研究者の英語論文を翻訳出版したが、引用が不適切だったと主張。調査委員会は出展を示さなかった事が故意かを調査河北新報(2010年11月20日)によると盗用論文は自分の考えも記載されており、翻訳と認められず故意の盗用で違法性が強いと認定。

報道を見る限り、出展不記載を故意と判断したのか不明だが、盗用論文は自己の考えも記載されていたので翻訳と認めれず、他者の論文を94%も翻訳流用したのだから、仮に出展不記載が過失だったとしても引用と認められず、盗用の責任は避けられない。たぶん、そういう理由で故意の盗用が認定されたのではないか。

某宗教学の大学教授と話すと「最近人事で論文を読んだけど、ただの翻訳だったな。」と述べた。文系は分野によっては翻訳論文もそこそこあるのかもしれない。翻訳論文を出す時は著者や出版社の許可をとり、その旨を明示しないといけない。森山盛吉は盗用時約50歳で准教授だったから、そういう当たり前の事は当然わかっていただろう。本人は原因を多忙による判断力低下と述べたが、確かにその可能性はあるかもしれない。

それにしても最近の調査で文系の学術誌や紀要は削除や撤回公告を出さない事がそこそこある事がわかった。理系の英文誌では当たり前の事をやっていない。読者は論文を探したり参照する時に困らないのか。それに不正や間違い等で削除、撤回された論文を公告しなかったら、読者が誤った成果をずっと参照し続ける恐れもあり、学術誌等の責任としてまずいと思う。私は訂正、撤回、削除された論文を公告するのは基本的な事だと思うが、文系の学術誌や紀要はなぜそれを行わない事があるのか。公告すると学術誌等や著者の不利益になるからやらないのかもしれないが、読者の迷惑にならないように必ず公告しないといけない。訂正、撤回、削除等を公告するのは国際的に当たり前。

盗用論文を掲載した「東北學院大學論集 英語英文学」は再発行する時にわざわざ全掲載論文のページ数を訂正した。掲載ページはそのままにして盗用論文の部分だけ削除しないと、これまで盗用論文の掲載号の他の論文を参照した文献の出展表示が不適切になってしまってまずいと思うが、この紀要はそれを考えないのか。

他の研究者が困らないように訂正、撤回、削除公告を出す、ページ番号を変更しない等の基本的な事をきちんと守ってほしい