「うつろ庵」の近くの遊歩道に、立て絞りの見事な椿「蝦夷錦」がある。
通りがかりにふと根元を観れば、先ほどまで枝に咲いていたかのような華やぎを保って、 一輪の椿花が散り落ちていた。一重の藪椿の、清楚で純粋な雰囲気とはまた別な、命を掛けて華やぎを演じる雰囲気は、艶やかな往年のシャンソン歌手を思わせる。椿の花は、花咲く姿のまま潔く落花するのが理とはいえ、地に落ちてもなおシャンと、プライドを保ち続ける姿に、かのシャンソン歌手の晩年とイメージが重なった。
無言ではあるが多くの訓えを頂き、それ故になお一層、いとおしさが募る思いだ。
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散り落ちて観る人なくも朽ちるまで
華やぎ忘れぬ蝦夷錦かな
地に還るその時までも椿花
あはれ矜持をたもち続けて
散り落ちた後の姿をいとをしむ
人もいませば安らぎ逝きませ
雪月花さんのブログがご縁で、貴ブログを知りました。私も(できるだけ)毎日短歌を詠むべく励んでいます。まだまだ未熟者ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
鄙の庵にまでようこそお訪ね下さいました。
毎日の生活の中で花に出会い、時に応じて心に感じたことを詠い、書き付けて参りました。拙い歌ですが、ご笑覧下さい。