「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「椿の花壺」

2006-03-26 13:56:34 | 和歌

 花壺に溢れんばかりの涕を湛えた、白椿に出会った。 
 昨夜の雨のしずくが、宗庵椿の花壺に溜まったものであろうが・・・。

 さる花道家が亡くなられてから、二週間ほどになるが、椿をこよなくいつくしんだ花人の逝去を悼んで、宗庵椿は泣き明かしたのかもしれない。その様に受け止めると、椿のせつない思いが、此方まで伝わってくるような気がした。


  





             逝きしひとを慕ひて泣くや白妙の

             椿の花壺 涕をたたえて



             花を知る逝きにしひとを偲びつつ

             湛える涕は供養なるらむ







最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
椿にみづ (雪月花)
2006-03-27 20:46:22
虚庵さま、有難うございます‥ 雪月花



 水につばき椿にみづのうすあかり

        死にたくあらばかかるゆふぐれ (松平修文)

 
「若くしあれど・・・」  (虚庵)
2006-03-29 00:47:48
雪月花さま  こちらこそ、有難うございます。



この時の宗庵椿は、若さと希望を抑えきれない風情の中に、深い憂いを秘めて迫ってきました。再び訪れましたら、既に潔く花を落して殉じておりました。



椿の心を酌むことが出来るか否か、花との対話が出来るか否か、それは此方の在りようなのかもしれませんね。



コメントを投稿