「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「黒鉄黐・くろがねもち」

2011-01-07 21:23:43 | 和歌

 「うつろ庵」の近くには「黒鉄黐・くろがねもち」の並木があるが、梢まで赤い実を付けて新春を迎えた。

 横須賀から観音崎へ向かう国道が東京湾の海縁を走っているが、この国道に直角に交わる並木通りは500米程に亘って「くろがねもち」が植えられている。晩秋から初春にかけて、かなり長い期間にわたって赤い実をつけて、愉しませてくれるシャレた並木である。

 漢字の「黒鉄黐」をパッと見せられて読めと言われても、なかなか「くろがねもち」とは読めないが、昔の人は良くぞこんな難しい字を使ったものだ。
昔の人々が、日常生活でこんな難しい字を使っていたのだろうか?
勝手な想像だが、漢字の国の古代中国から樹木と一緒に持ち込まれたか、或いは学者先生があてた漢字に違いあるまい。

 それにしても、「くろがねもち」は枝をかなり車道へ張り出しているが、大型
車両などによくぞ傷めつけられずに、
育ってくれたものだ。市役所の街路樹剪定は、時として無粋な刈り込みをして愛好家を落胆させるが、
そんな被害にもあっていないのは、僥倖と言うべきかもしれない。





              木枯らしに襟元合わせて行き過ぎな

              御足とどめて赤き実を召せ


              梢まで赤き実をつけ寿ぐに

              くろがねもちの挨拶聴かなむ


              赤き実を抱く気配ぞ緑葉は

              わが児を抱く母のかいなか







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