正月の「うつろ庵」の庭先に、「紅小菊」の一輪が咲いた。
昨今の寒気が厳しい気候では、よもや莟は開くまいと案じていたが、健気にも小花を咲かせて、虚庵夫妻に新年のご挨拶をしてくれた。葉の色が白っぽく見えるのは、防寒用のごく短い羽毛が菊葉を覆っているためかもしれない。それも見ようによっては、お正月の薄化粧に見えるのは、身贔屓と云うものか。
いと寒き年の初めにけな気にも
くれない一輪 小菊は咲きぬ
新玉の年の初めのご挨拶に
じじ・ばば思わず ほほえみ返しぬ
おしろいをほんのり刷くや菊の葉は
正月寿ぐお化粧ならむか
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