晩秋の朝は、一点の雲もない晴天だった。
そんな朝日を受けて、路傍に目の覚めるような黄色の小菊が咲いていた。
花数はごく少ないが、幹を見れば古木を思わせるようにも見えた。宿根草の菊は、年代を重ねれば古木の様な趣きが備わるのだろうかと思われたが、虚庵居士の勝手な思い違いかもしれない。
数日して、虚庵夫人との散歩の途上で出会った黄色の小菊は、花数も多くかなり賑やかだった。
この季節は様々な小菊に
出会うが、鉢植えの三本仕立ての菊などと違い、天真爛漫に咲き誇っている小菊に出会うと、思わず顔が綻ぶ。小花が押し合いへし合い、頬を寄せ合って無邪気に語らうような風情は、小菊でなければ見れない情景だ。
見渡せば秋空高く突き抜けて
もろ手を拡げ溶け込む朝かな
透ける陽に黄花輝く小菊かな
歳を重ねてふくよかに咲くとは
小菊らが頬を寄せ合い咲く様に
無邪気な児らの声を聞くかも
じじばばも思わず微笑み立ち止まり
仲間に入れてと歩みよるかな
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます