「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「虫食い? ゼラニウム」

2010-07-10 00:57:51 | 和歌

 「うつろ庵」の庭には、ゼラニウムが一株だけあるが、今年も「虫食い」状の花をつけた。

 五弁の白花は一見、「虫に食われたか?」と見えるが、歴とした替わり咲きの一種だ。
ゼラニウムは品種の数もかなり多いが、この替わり咲きは花屋などでも余り見かけない種類のようだ。
小鉢から路地に下して後は殆ど手も掛けていないが、毎年律儀に花を付けてご挨拶してくれる。

 一般的に鉢植えの草花を路地に植えると、たちまち繁茂して困ることが多いが、このゼラニウムが独り孤高を保っているのは、「うつろ庵」の地味が痩せているからなのであろうか? 紫蘭の繁茂振りからすれば、どうやら地味の問題ではなく、種の特性によるもののようだ。

 一株だけで、花びらを虫に食われたかのような態で咲くのは、「俗世界のことには吾関せず」といった
雰囲気を醸して、何やら孤高を保つ気配を感じさせる。人間社会にも、時にはこの様なご仁を見かける
こともあるので、思わず興味をもった。

 質素な身なりではあるが野暮天にあらず。インテリジェンスを具えていて時流の動向などを把握して
いるのだが、進んで雑談などには加わらない。口数は少ないがピシッと的を得た発言をして、目立つ存在ではないのだが、一目おかれる存在。何やらそんなご仁と相通じるものを、このぜラニウムは感じさせる。
聊か、うがち過ぎの印象論かもしれないが・・・。






            白妙の小花は虫に食われたか

            細き花びら裂けて咲けるは


            仄かにも色ずく蕊はこの花の

            命のいとなみ無言に示しぬ


            華やかに咲き誇るにはあらねども

            どこか気を惹く 気配は何ゆえ






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