「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「黄花ランタナ」

2006-09-18 20:31:34 | 和歌

 遅咲きの「黄花ランタナ」が咲いていた。





 「七変化」とも言われる、とりどりの色にさくランタナに比べて、この黄色ランタナは只ひたすら、鮮やかな黄一色に咲くので、「変化に乏しい」とか「単調だ」とか勝手なコメントもあるが、虚庵居士は「いやいや、その『ひたむきさが』良いではないか」と、肩を持ちたくなる。

 花をアップに写そうとして近づいたら、小さな蜘蛛が花に取り付いていた。体も手足も透き通っているので、ちょっと離れると蜘蛛の存在すら見失う程だ。よく観ると、まことに華奢で、華麗だ。この体では、ネットを張り巡らせて虫を捕殺する荒業は、とても似合わない。花や葉に付くアブラムシやハダニなどが、餌になるのかもしれない。

 花も蜘蛛も人間も、それぞれに夫々の命があり、それぞれの流儀で生きているが、さて、「虚庵居士の生き方の流儀」を、他人様はどの様に観ているだろうか。人間は行動も思想も感性も多面性があり、奥行きにも深浅がある故に、観方によっては千差万別であろう。本人は最もよく判っている筈だが、己に対する判断は甘く曇り勝ちで、ともすると不正確極まりないのが自己認識かもしれない。






             ひたぶるに金色求めて咲く花に
 
             修業の僧の一途を観しかな 



             ランタナの黄花は優しく語らふや 

             聞き入る蜘蛛は身じろぎもせで



             ランタナも稚き蜘蛛もそれぞれに
 
             おのれの秋の陽射しを浴び居て





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