竹原の「町並み保存地区」を早朝に散策しつつ、竹原駅に向かった。
この日の予定は、「広島平和記念資料館」を何年振りかで視察し、「広島焼き」を食べたいと考えていた。予め時刻表で調べたら、1時間に1本のJR呉線では9時13分に乗らないと、横須賀に帰れそうもないことが分っていたので、早朝の散策はいささか駆け足であった。
発車間際にやっと間に合って、2両編成のローカル線でJR広島駅に向かった。
原子力発電に生涯をかけて来た虚庵居士だが、3・11福島事故を踏まえた「国立広島商船高専」での原子力討論会に参加して、折角の機会だから是非とも再び「広島平和記念資料館」を訪ね、原子力発電とは対極にある「核」の原点を噛み締めたいと考えていた。広島駅には11時ころ到着して、その足で平和公園に向かった。
「広島平和記念資料館」は極めて長大な建物だ。
真中の本館と東館、さらに西側には国際会議場がつながり、それらをカメラに納めようとモガイタが、とても一枚には納まらなかった。諦めて、入場料50円を収めて観覧券を手にしたら、建物の全体像を見事に捉えた写真が印刷されていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/d5/ad35099da5863a87bebb8314e2b9f943.png)
東館の一階から三階まで丁寧に観覧していたら、ほぼ2時間余を費やした。体を殆ど動かさずに展示と解説を閲覧していたら、かなり脚がくたびれた。幸いにも、3階に設えてあったヴィデオコーナーを観覧しつつ、暫らく休息し喉を潤すことが出来た。
本館の生々しい展示に息を呑みつつ、核の恐ろしさを世界市民にも各国の為政者にも認識させたい、「広島平和記念資料館」を是非とも見せたいものだと思った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/76/586d8f9355220e79e99f49eaf71b2524.jpg)
祈り終えてカメラを構えていたら、俯いたご婦人がファインダーに入り、そのままシャッターを切った。後からその時の写真を見たら、ご婦人もお祈りを済ませた直後であろうか、深い悲しみを湛えたお姿が虚庵居士の心を代弁していた。お断りもしてないが、掲載させて頂く次第だ。
元安川の河畔に佇み、原爆ドームと改めて相対した。水面に映るその姿は波に揺れていたが、67年の歳月を経てなお、あってはならぬ人類の過ちを、強く訴え続けていた。
原子力平和利用の原子力発電が果すべき「人類への貢献」と、決して犯してはならぬ「核戦争」との違いを、原爆ドームは今後も世界に訴え続けて呉れるに違いない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/d8/6192ff541d39b63d858b4074845a3de2.jpg)
気のはやる思ひを鎮めよとローカルの
電車は走りぬ各駅停車で
振り返り想い起こせば人生を
一つの道に捧げつるかも
我が道と対極にある「核」みつめ
原点問はむと此処まで来しかも
生々しき展示を見せなむ人類の
過ち糺さむ世界に向けて
無言なる原爆ドームと語らひぬ
人類の過ち 人類への貢献
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