「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「広島平和記念資料館」

2012-12-18 21:35:55 | 和歌

 竹原の「町並み保存地区」を早朝に散策しつつ、竹原駅に向かった。

 この日の予定は、「広島平和記念資料館」を何年振りかで視察し、「広島焼き」を食べたいと考えていた。予め時刻表で調べたら、1時間に1本のJR呉線では9時13分に乗らないと、横須賀に帰れそうもないことが分っていたので、早朝の散策はいささか駆け足であった。

 発車間際にやっと間に合って、2両編成のローカル線でJR広島駅に向かった。
原子力発電に生涯をかけて来た虚庵居士だが、3・11福島事故を踏まえた「国立広島商船高専」での原子力討論会に参加して、折角の機会だから是非とも再び「広島平和記念資料館」を訪ね、原子力発電とは対極にある「核」の原点を噛み締めたいと考えていた。広島駅には11時ころ到着して、その足で平和公園に向かった。

 「広島平和記念資料館」は極めて長大な建物だ。
真中の本館と東館、さらに西側には国際会議場がつながり、それらをカメラに納めようとモガイタが、とても一枚には納まらなかった。諦めて、入場料50円を収めて観覧券を手にしたら、建物の全体像を見事に捉えた写真が印刷されていた。

 

 東館の一階から三階まで丁寧に観覧していたら、ほぼ2時間余を費やした。体を殆ど動かさずに展示と解説を閲覧していたら、かなり脚がくたびれた。幸いにも、3階に設えてあったヴィデオコーナーを観覧しつつ、暫らく休息し喉を潤すことが出来た。

 本館の生々しい展示に息を呑みつつ、核の恐ろしさを世界市民にも各国の為政者にも認識させたい、「広島平和記念資料館」を是非とも見せたいものだと思った。

 原爆死没者慰霊碑の前で手を合わせ、犠牲になった14万市民の哀悼を祈った。
祈り終えてカメラを構えていたら、俯いたご婦人がファインダーに入り、そのままシャッターを切った。後からその時の写真を見たら、ご婦人もお祈りを済ませた直後であろうか、深い悲しみを湛えたお姿が虚庵居士の心を代弁していた。お断りもしてないが、掲載させて頂く次第だ。

 元安川の河畔に佇み、原爆ドームと改めて相対した。水面に映るその姿は波に揺れていたが、67年の歳月を経てなお、あってはならぬ人類の過ちを、強く訴え続けていた。

 原子力平和利用の原子力発電が果すべき「人類への貢献」と、決して犯してはならぬ「核戦争」との違いを、原爆ドームは今後も世界に訴え続けて呉れるに違いない。

 


           気のはやる思ひを鎮めよとローカルの
  
           電車は走りぬ各駅停車で


           振り返り想い起こせば人生を

           一つの道に捧げつるかも


           我が道と対極にある「核」みつめ

           原点問はむと此処まで来しかも


           生々しき展示を見せなむ人類の

           過ち糺さむ世界に向けて


           無言なる原爆ドームと語らひぬ

           人類の過ち 人類への貢献







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