「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「不器用に咲く」

2006-02-11 01:12:08 | 和歌

 思わぬところで、「万作」に出会った。

 幸いにもデジカメを携えていたので、そそくさとシャッターを切ったが、虚庵居士の力量では、満足な写真をご覧頂けないのが残念だ。

 これまで生花の花材としてアレンジされた万作は、何べんか目にしたが、自然の状態で咲く万作には初めての出会いだ。枝のあちこちに枯れ葉を付けたまま、それを意にも介さずに咲く万作は、花弁の繊細さとはうらはらに、男気のあるのが気に入った。
  


 



             梢にもごつごつとした身を開き

             不器用に咲く万作なるかな



             枯れ葉をも枝に残して気にとめず

             万作咲けり 男の流儀に



  

 



             如月の浅葱の空に金色の

             細き花びら万作逞し



             虫食いの枯葉を携え万作は

             吾が春見よと手足を拡げぬ


 


 



             金色の細き花びら温かき

             産毛の莟みに含むぞいとしき



             万作の金色の花まじまじと

             近くに見れば赤き口かな



             凍てつける真冬を耐えて解き放つ
             万作の花 花弁の歓び






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2 コメント

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Unknown (へぶらいびと)
2006-02-11 12:00:30
不勉強で花の読み方がわかりません。まんさく or ばんさく どう呼ぶのでしょうか?
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豊年満作  (虚庵)
2006-02-11 13:09:05
古人は「豊年満作」を願って、早春のこの花を愛でたのだろうと思います。その謂いからすれば、「満作・まんさく」であるべきかもしれませんが、昨今は「万作」が一般的に使われているようです。



山間に自然に咲く万作には、何とも言い知れぬ素朴な親しみが感じられます。



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