「うつろ庵の大草原」に、皆さんをご招待します。
住宅街の一画のごく狭い「うつろ庵」に、大草原などあろう筈もない。 だがしかし、
現実に大草原が存在するのだから面白い。
大草原には、ほぼ同種の野草が一面に広がり、草丈も殆ど同じで、かなりの拡がりを観られるのが一般的な特徴だ。「うつろ庵の大草原」も、この条件をほぼ満たして、緑の草叢の起伏も見様によっては変化に富んで、興味をそそられる。
虚庵夫人を「うつろ庵の大草原」にお誘いした。
大草原? 当初は怪訝な顔つきだったが、視線が大草原のレベルに合った途端に、「あら!!」と歓声を上げた。 実は、この「大草原」は彼女が設えた平鉢を緑の苔が覆ったものだ。
「大草原」とは些か大袈裟な表現で恐縮だが、たかが平鉢を埋め尽くした苔であれ、目の位置、視線によっては、果てしなく拡がる大草原を思わせるから不思議だ。虚庵夫人がそれに気づいて、「あら!!」と歓声を上げたのも肯ける。
我々の日常生活の中には、常識的な視点、当たり前の発想では気の付かぬことであっても、視点を替え発想を替えれば、全く異なった世界が見えることが間々ある。
「うつろ庵の大草原」の発見で、何と盲目的な日常生活を過ごして来たことか、何と
刺激に乏しい観方しかして来なかったかを、大いに反省させられた。
ごく狭い 「うつろ庵」 にも 「大草原」 が
在るとも知らずに過ごし来るとは
観方かえ 視点を替えれば別世界が
啓けることを君にや告げなむ
わぎもこの丹精籠めにし平鉢に
「あらまあ!!」 の声 聴くとは愉しも
手を取りて大草原を駆けるかな
わぎもの苑の新たなひろがり
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