「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「春の寿ぎ」

2006-02-09 11:34:52 | 和歌

 車を運転していて、蝋梅に出会った。

 数日前に、お寺さんの蝋梅を観に行ったが、あの時は巨木の木漏れ日が一輪にだけさしきて、ひっそりと虚庵居士を迎えて呉れた。今日の蝋梅は、全身で陽ざしを受けて、天真爛漫の歓待であった。お寺さんの蝋梅と、今日の蝋梅では花びらの形も異っているようだ。花弁が細長く、種類が違うのであろう。透ける花びらの清しさには、どちらも心が洗われた。

 

 




             初午を 祝うや蝋梅清しくも
  
             禊を受けて浅葱に浮かぶは



             凍みいるに誰が守るや蝋梅の

             薄き花びらまさきくあれば



             香りたつ細き花弁の蝋梅に

             よりて受けまし春の寿ぎ


  

 




             萌いずる春の息吹を身に受けて

             梢に高く蝋梅咲きたり







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