「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「野に咲く 水引」

2013-08-07 00:54:47 | 和歌

 「水引」 が、いつもの散歩道の脇に咲いていた。

 「水引」 は、林の縁など半日陰に群生する、極めて控えめの野草だ。
葉はかなり大きめだが、ごく細い花茎と小さな花の花序は、極めて控えめで、ともすれば見逃しかねない。

 その控えめの姿が多くの茶人の好みと合うのであろう、隠れたお茶花としても愛されている様だ。ごく細い花茎と、花序の配列を上から見れば赤花がつながり、下からは白花がつながる様に見えるところから、紅白の水引に擬えて花名が付けられたと言い伝えられている。

 現代社会の日常生活からは、熨斗袋と水引は殆んど見かけなくなって、不祝儀や結婚祝い等ですら、印刷した熨斗袋が当たり前になりつつある。 そんな昨今では、「水引って何?」 との問いすら聞こえそうだ。

 


           稚けなき花のつながり何と云わむ

           いにしえびとは 水引に擬ふ


           野に咲ける小花はくれない 白花? に

           目線を替えれば麗しきかな


           いと細き紅白の水引に この花を

           託して愛ずる心をしのびぬ


           ただ一枝を摘みて帰りぬわが庵に

           小瓶に挿せば多くを語りぬ








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