「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「うつろ庵の木通」

2015-10-19 01:56:46 | 和歌

 「うつろ庵の木通(あけび)」の果実が、優雅に色付いた。
ガレージの庇に沿って延びる木通の蔓の中ほどに、手を拡げるような姿でふくよかな果実が初めて生った。ご近所の皆さんも「アケビが生りましたね」とご注目だったが、秋の到来と共に優雅に色づいた。



 春先には独特の花を咲かせて皆さんの注目を集めるが、「あけびの花」でご紹介したので、併せてお楽しみ下さい。(クリックするとリンク先が表示されます↑)

 信州・諏訪盆地に育った虚庵居士の子供の頃には、近くの山遊びで、アケビの実を蔓からもぎ取って、仄かな甘い果肉を口一杯に含んだ。 小さな種が沢山あるので、しばらくはお口をもぐもぐさせて果汁を呑み込み、残った種を勢いよく吹きだすのが、子供達のお遊びだった。

 そんな昔を懐かしむ間もなく、木通の果実が熟して割れ目が入った。
東京でのシニアの会議を終えて帰宅した晩に、木通は「待ってたのよ!」と訴えるかの如く、割れ目からは白い果肉が覗いていた。早速そっと鋏で切り取った。

 翌日のテラスでのランチには、デザートに木通の果実が白いお皿に並んだ。
子供の頃の食べ方が懐かしく、口一杯に含んだ果肉の甘味を愉しんだ後、庭の植え込みに向けて一気に種を吹きだした。子供にかえって遊ぶ虚庵夫妻であった。




           幾としも待ちにけるかなアケビ生るを

           「生りましたね」との ごあいさつうれし


           マイカーの出し入れの都度 仰ぎ見れば

           期待に応えるアケビの果実ぞ


           秋たてば優雅に色づくアケビかな

           ふる里遠く 昔を想ほゆ


           夜遅くアケビに帰宅のご挨拶

           アケビは割れて 「待ってたのよ!」と 


           あくる日のテラスのランチのデザートは

           白いお皿にアケビが並びぬ


           じじ・ばばは子供にかえり口の種を

           競いて吹き出し笑いころげぬ







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