「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「紅白の つつじ」

2009-04-23 00:10:17 | 和歌
 
 今年もまた、お隣さんと道を挟んで「紅白のつつじ」が咲揃った。

 道行く散歩の人々は、ここに差し掛かると決まって歓声を上げて、立ち止まる。
お隣さんとは相談した訳でもないが、梅の時節は紅白が逆転する。「うつろ庵」の梅は深紅の「蘇芳梅」、東隣は白梅の「緑愕」だ。

 「うつろ庵」の生垣は珊瑚樹なので、新緑と純白の対比が堪らない。それでも、白いつつじが純白を保てるのは、咲き初めから精々一週間程度であろうか。それを過ぎれば花びらは少しづつ日に焼けて、純潔さが失われるのが口惜しい。この美しさを保ちたいばかりに、この季節の虚庵居士の日課は、珊瑚樹の新芽を整え、黄色に色づく古葉を取り除く毎日だ。ほどなく白つつじの花びらも日焼けするので、それも丁寧に摘まみ取り、新緑に抱かれた純白のつつじを、一日でも長引かせたいと念じる毎日となる。

 自然の織りなす美しさは神秘的だ。だが、自然に任せたままだとその美しさも、ホンの僅かな時間で終わる。折角、美しい花を咲かせ、新緑との対比を魅せてくれるのだから、チョッとだけ人間がお手伝いしてやれば、その労を遙かに超えて美しさが保たれ、至福を与えてくれると云うものだ。

 これまでは忙しさに紛れていた人生であったが、こんな細やかな喜びを味わえるのも、時間のゆとりが持てるこの頃のことだ。相変わらず時間に追われてはいるが、せめて一時なりとも、花木との語らいに心がける虚庵居士ではある。




             律儀にも季節を違えず咲くつつじは
  
             清しき君かな けがれを知らずも


             新緑にきらめく珊瑚樹の 讃えるは

             白妙群れ咲くつつじの花ぞも







             道へだて競うがごとく紅の
  
             色をまだらにつつじ咲くかも






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