「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「桔梗草」

2010-06-12 13:29:30 | 和歌

 「桔梗草」が可憐な花をつけた。

 ご近所の道端に咲いてた野花であるが、いつの間にか「うつろ庵」の鉢に根を下していて、野草の逞しさに驚かされる。この花は下から順次咲き昇るので、かなりの期間楽しませてくれるが、花の色も姿も
どこか桔梗のミニチュアを思わせるところから、「桔梗草」またの名を「段々桔梗」と呼ぶのも頷ける。






 鉢に咲いた一株の「桔梗草」だが、光の当たる方向で色合いも風情も随分変化することに気づいて、
それぞれ反対側から写してみた。

 考えてみれば、これは当たり前のことかもしれない。単純で短絡人間の虚庵居士は、物事の一面だけをみて「あ、これは然々・・・」と早とちりするが、矯めつ眇めつしてよく確かめる癖を身につけたいものだ。大勢の人々とのお付き合いを重ねてきたが、人は性格も物の考え方も多様性を具えていて、言動は決して単純ではない。一面だけをみた短絡的な判断は、いかにも粗忽だ。花も人間様も同じで、味わい深い側面を見出し、尊重してお付き合いを重ねたいものだ。

 偶々観た桔梗草の花の表情から、思わず横道に逸れた。読者諸賢は夙に心得ておられるところだが、
短絡人間・虚庵居士の自戒として認めた。






            何時やらに庵の庭にましますは

            桔梗草かな居心地よろしと


            段々に咲き昇るかな花の名は

            段々桔梗ぞ 愉しみ段段


            陽をうけて移ろふ花のけわいかも

            観る人の有無 意にせぬ気色に






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