会議で東京まで出かけて帰宅したら、門冠り松の下に「野牡丹」がお出迎えで、目を瞠った。綺麗な花もさることながら、直径が50センチ程もある大鉢を、虚庵夫人がたった一人で移動したことに愕かされた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/c1/971d0723911d70ffa023e8ae156d2db8.jpg)
「お帰りなさい」との声と共に虚庵夫人が出迎え、「野牡丹のお花に、門前でご挨拶をさせたかったのよ」との説明であった。これまで大鉢の野牡丹は、狭い庭ではあるが巨石の脇に置かれていた。門までは石段を経て、10メートル程の径を移動させたことになる。「大変だったのよ!」とのアッピールと共に、大鉢を移動させたご苦労の痕を見せられた。
小枝の剪定から水遣りなど、慈しんで咲かせた野牡丹を、一目でも多くの皆さんに観てほしいとの思いが、熱く伝わって来た。
紫紺の花びらと、沢山の釣り針を思わせる蕊の対比が、何とも見事だ。
胸の高さの門扉に凭れて、飽きずに野牡丹を眺める虚庵夫妻であった。殆ど感じられない程のごく微かな風に、花びらの一枚が敏感に揺れていた。
門前に紫紺の花のお出迎え
出掛けに無かった 大鉢野牡丹!!
愕きの じじ出迎えるわぎ妹子は
大鉢移動の苦労を語りぬ
径(こみち)にはあちらこちらに痕跡が
奮闘語りぬ大鉢移動の
慈しみ見事に咲きにし野牡丹を
一目見せなむ道行く人にも
門に凭れじじ・ばば見惚れぬ野牡丹の
紫紺の花の幽かに揺れるを
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