北海道大学のキャンパスを歩いていたら、「七竃」が紅の実を付けていた。
東北から北海道にかけて、街中でも時には見かけることもあるが、これ程大きく立派な七竃に出会ったのは初めてだ。昔どこかで聞いた話だが、この木はなかなか燃えないことでは、右に出るものが無いという。七回も竃にくべたが、燃え残ったことから「七竃」と名前が付いたというが、虚庵居士はこの木を燃やしたことはないので確かなことは知らない。
今回の北大訪問は、秋の原子力学会に参加することと併せて、北大の学部生・院生とシニアの対話会に出席するのが目的であった。かつて前身は農学校であったが、クラーク先生を招聘して教えを乞うた先人の見識が、今なお受け継がれているように思われたのは、虚庵居士の思い入れの為せる故であろうか。
半日の対話会と懇親会を経て、学生達の目つきが見違えるほどイキイキと見えたのは、感受性豊かな若者がシニアの思いを受け止めて、胸の内に醗酵が始った証かもしれない。
いや高き枝先撓ませ実を結ぶ
ななかまどかも ふさ紅に
実を赤めやがてその葉も紅葉なる
秋の帳の七竃かも
半日を爺らと語らひ別れには
その目輝く学生なるかも
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