「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「小菊と猫じゃらし」

2005-12-23 21:34:39 | 和歌

 いつもの散歩よりチョッとだけ足を伸ばした。

 東京湾を見下ろす景観が売り物であった、隣の住宅街まで行ってきた。小高い山を宅地造成した、整然とした街並みで、分譲販売されて十数年は経つであろうか、その一画に空き家になって久しいお宅がある。庭先には、いつも綺麗に花卉が栽培されていたが、住人が不在になると、庭にも雑草がはびこり、捨て置かれても律儀に秋を感じて咲く小菊と絡み合って、もののあわれを一際かきたてる。



 



             住人の事情は知らず如何なるや

             庭の小菊は律儀に咲くも


             住み人のなくて久しき庭先に

             猫じゃらし枯れ小菊に凭るる


             人の世の移り変りは儚くも

             ことわり違えぬ自然なるかな



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