「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「玉簾・たますだれ」

2006-08-28 02:11:45 | 和歌


 遊歩道に沿って、「玉簾」が咲いていた。雨の後に咲き出すことから、Rain lily とも言うが、玉簾とともに良い名前だ。

 暑さの故だろうか、このところ炎天下に外出するのが辛かったが、ここ数日はめっきり爽やかになって、外出も楽になった。
ところが習慣とは恐ろしいもので、散歩に出掛けるのは何時の間にか、夕暮れ時になってしまった。暮れ泥む歩道の脇に、爽やかな玉簾が浮き立って、点々と連なって咲いていた。

 日が暮れかかると、この頃は虫たちが鳴きだして、ことさらに涼をそそる。昔の歌人ならば虫の音に和して、当意即妙に歌をものしたであろうが、虚庵居士は指折りかぞえつつ、何時の間にか庵に帰り着いていた。

 「うつろ庵」の虫籠には、数年来の鈴虫が健在だが、そろそろ「集く」であろう。
 その日が愉しみだ。






             玉ぼこの暮れゆく道を行きたれば
 
             浮き立ち咲ける玉簾かな 



             夕さればはや虫の鳴く秋なるや
 
             暑さばかりに気をとられしが



             虫かごの鈴虫すだくを聞かまほし
 
             あやに家族と思ひ来たれば     





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