「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「庭木・街路樹の実 - シャリンバイ」

2015-12-25 01:50:34 | 和歌

 横須賀の椰子並木には、様々な背の低い根〆が植えられているが、常緑灌木のシャリンバイもその代表格だ。秋から冬にかけて黒い実がなるが、道行く人々はごく地味な「サリンバイの実」には殆ど関心が無い様だ。



 小鳥たちに啄ばんで貰うには、赤や黄色などの目立つ色の実を付けるのが普遍的だが、黒色の実は鳥の助けに頼らずとも、種の保存が可能だと云うことであろうか。熟した実が落ちて、発芽する可能性が高いに違いあるまい。

 シャリンバイの実を改めて観察すれば、ふくよかな果肉を湛えているので、熟した実が落ちた際に、種の発芽を促す養分を果肉が供給して、発芽しやすいのだろうか。植え込みがかなり混んでいるのは、その様にして若木を自給自足出来ている証しかも知れない。

 5・6月ころ咲く花が、年末にも拘わらず所々に咲いていた。時期外れの花ゆえ、些か気の毒な容姿ではあるが、厳しい自然の試練に堪えて咲く花の姿にこそ、シャリンバイ(車輪梅)の真の逞しさが見て取れるように思われた。


             黒々とふくよかな実をあまたつけて

             落ち着く風情のシャリンバイかな


             くすむ葉に埋もれて目立たぬシャリンバイの

             実は黒くして何の謂いかな 


             小鳥らの啄ばみなどには期待せず?

             目立つ色など関心御座らぬと


             ふくよかな実にしござれば地に落つも

             芽吹きの養分 蓄え十分


             冬至過ぎ返り咲くとはシャリンバイの

             小花ちらほら試練に堪えつつ


             シャリンバイの誠の根性「逞しき」

             華やかさなど見向きもせぬかも







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