六月の末に「アガパンサス」の花を掲載したが、重陽の節句をすぎるとこんな感じになった。
花が散ると間もなく種を付けるが、緑色が残っているのは遅咲きで、たぶん七月か八月に咲いたものであろう。実莢が枯れると自ずから割れて、中の種を撒き散らすことになる。
アガパンサスは常緑の宿根草で、根株は逞しく生命力に溢れているが、種による繁殖も盛んなので、数年の内にはたちまち群落を形成する。人間社会でも、ビジネス展開と経営に冗長性を持たせた企業は、厳しい経済環境に晒されても、生き残る選択肢を備えているので、経営基盤を損なうことなく、着実に生長を続けている。
「アガパンサス」は、生き残りと繁栄に欠かせない根源的な「危機管理」機能を備えた、自然界でも珍しい逸物なのだろうか。いやいや、自然界のことは虚庵居士が知らぬだけで、繁殖力の旺盛な種は、押しなべて同様な能力の持ち主なのかもしれない。
爽やかな淡藤色の花むすび
秋立ちにけりアガパンサスの実に
すでにはや実莢は割れて黒き種の
新たな飛翔に命を託しぬ
逞しきアガパンサスの花茎は
実を振りまきて立枯れにけり
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