ご近所の「ヒマラヤ雪の下」が可憐な花をつけて、新年を寿いでいた。
「うつろ庵」の「ヒマラヤ雪の下」は未だ咲く気配は全く見られないが、ご近所ではお宅の北側、日陰で寒々とした環境にも拘わらず、毎年年末から新年にかけて咲き誇る。名前の通り寒冷地の花だから、陽当たりのよい「うつろ庵」の庭で、「新年早々に咲いて」と願うのは、無理な注文なのかもしれない。記憶が定かではないが「うつろ庵」での開花は、寒さが厳しくなる二月中頃であったろうか。
それにしても大きな葉で常緑を保つのは、ヒマラヤ高地の厳寒な自然環境では
無理であろう。
ヒマラヤの名が付けられてはいるが、ヒマラヤのすそ野の比較的に寒さが厳しくない何処かが、原産の土地であろう。ヒマラヤからわが国に嫁ぎきて何年になるかは知らないが、幾世代にも亘り咲き続ける花の命に思いを致し、人の世と思いを重ねれば、熱いものが胸に迫ってくる。
新年を寿ぎ咲くらし寒空に
小花のヒマラヤ雪の下かな
陽の射さぬ石垣の間の緑葉は
小花ら包むや木枯らし吹けば
むら花は緑葉かたしき冬の夜を
いねにけらしも肩寄せあいて
ヒマラヤの遠き故郷恋ふるらむ
雪の下なる小花むら花
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