「うつろ庵」のテラスの脇には、蔓バラが今を盛りと咲いている。
本来は八重咲きの白バラだが、どうしたことか、昨年からピンクの花が一 ・ 二輪まじって咲く突然変異が発生した。今年はピンクの色合いも増し、花数も昨年の倍程度
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に増えた。 造化の神も粋なお遊びをして目を
愉しませて呉れるから、感激だ。
「うつろ庵」の敷地は三方が生垣で囲まれているので、ご近所などに気兼ねなく
テラスでの食事を愉む虚庵夫妻である。春から初夏にかけては、薫風がバラの花や植木にそよぎ、頬を撫でるので誠に爽やかだ。
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テラスの南側は、ベランダから簾を垂らして直射日光を和らげているが、西側は
蔓バラが恰好の日除けの役割を演じてくれるから、有難いことだ。椅子に腰かけた
虚庵居士の、恰も天蓋の様な姿の蔓バラである。
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薫風を頬に感じぬテラスにて
遅きブランチ蔓バラを背に
稚けなき莟にピンクの色を見て
もしや もしやと胸トキメキヌ
何故ならむ白妙の花の蔓バラに
ピンクの花が混じり咲くとは
蔓バラの天蓋頂く君かなと
我妹子(わぎもこ)のたまうランチのオシャベリ