「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「うつろ庵の警備」

2012-12-05 16:27:17 | 和歌

 テラスの陽だまりに、大型の「螳螂・カマキリ」が脚を拡げて悠然と構えていた。

 本物もさることながら、彼の影法師が何とも逞しく見えた。大きな目玉が、頭の大半を占めているのも極めて印象的だが、細い触角をピンとたて、そのか細い影すらも彼の気構えを写して、誠に見事であった。

 彼の益荒男振りに感激して、試みにチョットだけ刺激を与えたら、大鎌を振りかざして身構えた。
虚庵居士も負けてはならじと、指先を立てて戦闘
姿勢をとれば、カマキリは寸分の隙すら見せぬ構えだ。
僅かな時間であったが、彼との対峙にわが身を忘れ、彼の戦闘姿勢をカメラに収め損なったのが残念だ。


           陽だまりに脚を折り曲げうち拡げ

           気構え見事な大螳螂かな


           細き身の背筋をのばし触角を

           ピンと立てたる 益荒男振りかな


           こころみにチョット刺激を与えなば

           「おのれ!」と身構え 大鎌かざしぬ 


           寸分の隙なく敵と対峙する

           戦闘姿勢に見惚れる爺かも


 


 「うつろ庵」の庭には、意外なほどに「蜥蜴・とかげ」が数多く棲みついて、頼もしい警備振りを見せている。

 虚庵夫妻には見慣れた住人達であるが、普段見かけない人々にとって、思ひもかけず出現すれば、「ギョッ」と立ち竦むことになろう。

 そんな異形の彼らだが、初冬のこの季節になると日向ぼっこが大好きらしく、金のなる木や刈込んだ姫榊の枝の上でジッと身動きもせずに、日向ぼっこを楽む蜥蜴君である。

 小動物の生態にはからきし疎い虚庵居士ゆえ、これから寒さが厳しくなる真冬を、どのように耐え忍ぶのか気懸りだ。
今の裡にたっぷりと栄養を
蓄え、来春の温かな陽ざしのもとで再会したいものだ。 



           身をよじり短き足を踏ん張って

           何狙うらむ 庵の蜥蜴は


           身じろぎもせずに陽を浴び愉しむや

           小春日和の日向ぼっこを


           向寒の砌なりせば蜥蜴君よ

           栄養蓄え身を大切にせよ







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