「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「虚庵夫人のアレンジ」

2012-12-07 00:28:05 | 和歌

 お寝坊して、眼をこすりつつ「おはよう」とご挨拶したら、テーブルには目を瞠る珊瑚樹の紅葉が、一枚だけ飾られていた。

 様々な紅葉に眼を奪われる晩秋から初冬のこの頃だが、「うつろ庵」のテーブルで、こんな見事な紅葉に出会うとは、ついぞ想像すらしなかった。 虚庵夫人が早朝に、珊瑚樹の生垣から散る寸前の一枚だけを選んで、アレンジしたものだ。
憎いことに、頂戴した信州リンゴの白いクッションネットに添えて、対比が真に鮮やかであった。

 彼女曰く、「白いドレスの胸元に飾ったら、どんなに素敵だろうと思ったのよ・・・」と。

 


           目を瞠る珊瑚樹の葉の真紅かも

           メッシュの白妙 ふくよかな胸元に


           ただ一枚を 選んで我妹子(わぎもこ) お寝坊の

           我に見せむとアレンジするとは


           その思ひにじじとは雖も ときめくを

           如何に告げばや言葉を知らずも


           夕暮れに素焼きの鉢にて焚火して

           焼き芋捧げる 素朴な爺かな







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