「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「七変化のランタナ」

2014-08-06 15:13:42 | 和歌

 ランタナが彼方此方で咲き乱れている。

 一株から沢山の細い枝が分れ、それぞれに様々な花を咲かせるランタナだが、
何故にこのような多様な花を咲かせられるのだろうか? 草花も花木も、一株につき一種類の花を咲かせるのが植物の原則ではなかろうか。時には、紅白の花を咲き
分ける種類もあるが、それはごく稀なことだ。



 それにしても、これ程に多様な花を付けるその特殊な能力の一端を知りたくて、
花図鑑を漁ったら、意外と簡単にその特技の程が解明された;
曰く、『ランタナの花は咲いてから、時間が経つに連れて黄色からだいだい色、赤へと色が変わります。このため、シチヘンゲ(七変化)、コウオウカ(紅黄花)とも呼ばれます』 との解説であった。



 「うつろ庵」の庭にもランタナが咲いているが、時間の経過による変化には気付かなかった。花を愉しんでは来たが、時間の経過と併せて観察するという姿勢は、全くなかったことを恥じ入るばかりだ。

 虚庵居士に代わって、「カモジグサ・髪文字草」の穂が頭を低く垂れていた。
隣りの花の変化を、彼もまた見過ごしていたのかも知れない・・・。




           夏立てば我が世の盛りとランタナは

           咲き誇るかな あまたに咲き分け


           何故ならむ斯くもあまたに咲き分ける

           不思議な花よ 魔法の花かも


           人の世も 我が子は同じ目の色を

           受け継ぎ産まるる 自然のことわり


           眼から鱗 開花の後の時と共に

           花いろ替ると 解説なるかな


           移りゆく花の気色を姿には

           観れども気付かず色の移ろい


           恥じ入れば共に首を垂れたもう

           髪文字草かな そ文字も知らずや







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