「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「新緑の珊瑚樹」

2014-04-14 15:27:25 | 和歌

 「うつろ庵」を取り囲む珊瑚樹の新緑が、爽やかだ。

 珊瑚樹の肉厚で柔らかい新緑は、虫たちにとっては又とないご馳走で、油断すると一気に食い荒らされて、見るも無残な姿に変貌する。この時期の虫たちは体長5ミリ以下の幼虫だが、食欲がすこぶる旺盛で成長も早い。彼らは幼虫の頃だけでなく、羽根付の成虫に変身してからも珊瑚樹が大好きで、生涯を珊瑚樹で過ごすことになる。従って、幼虫の段階で消毒退治しないと大変なことになるのだ。

 「うつろ庵」の珊瑚樹は、既に二回の消毒で、ほぼ退治出来て、爽やかな新緑を愉しむ毎日だ。しかしながら油断すると、羽根付の成虫が飛来して、思わぬ被害を受けることにもなりかねない。更に加えて、珊瑚樹は精力旺盛な喬木ゆえ、かなり頻繁な枝の剪定も必要だ。「うつろ庵」を取り囲む珊瑚樹の生垣は、総延長30数メートルになるので、珊瑚樹を見応えある状態に保つには、かなりの気配りと労力が必要だ。



 珊瑚樹の緑に囲まれた「うつろ庵」の、ごく狭い庭の隅には、「棺桶ベンチ」を設えてあることを以前にもご紹介した。古い焼酎甕を逆さに置き、厚い板を乗せてベンチの座板とし、珊瑚樹の枝から枝へ竹棹を渡して、ベンチの背凭れでゴザイと嘯く虚庵居士だ。新緑に囲まれたベンチに坐し、グラスを傾けつつ陶然と過ごせば、あの世とこの世を自在に往復すことが出来るので、棺桶ベンチと命名して悦にいる爺様だ。

 ご興味とお時間がある方は、ご来訪歓迎です。




           朝な夕な緑の枝葉に手を伸ばし

           新芽を摘みつつ語らひ重ねぬ 


           虫食いの見苦しき葉を無くさむと

           若葉の珊瑚樹いとおしむかな


           陽をうけて煌めく新緑風に揺れて

           言葉はなけれど爺に応えぬ


           珊瑚樹の緑に囲まれ寛げば

           むげんに拡がる狭き庭かな







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