何時もの散歩道の脇に、「シロバナムシヨケギク」がそよ風に揺れていた。
この花を観ると、幼児の頃が懐かしく想い出される。信州・諏訪で育った虚庵居士の実家には、広い敷地の端に湧水が流れる「清水川」があったが、その縁に沿って白いお花が植えられていた。
泉には「長命水」との碑が置かれていたが、湧水を樋で大きな池に引き入れ、飲み水としても使っていた。時には茶人が、態々水汲みにやって来る名水だったようだ。
そんな麗水が流れる「清水川」と、白いお花が今でも瞼に浮かぶ虚庵居士だ。
「シロバナムシヨケギク」は除虫菊とも呼ばれるが、この花が殺虫剤として使われ、或いは蚊取り線香としても利用されていることは、意外にも知られていないようだ。
そよ風に揺れるあまたの白花に
ふる里遠くおもほゆるかな
川べりにシロバナムシヨケ菊を植え
シャベルを洗う母を偲びぬ
湧き水の流れる川辺の白花を
摘んだは遠き幼き頃かな
湧水を口に含んだ夏の日も
懐かしきかな故郷おもえば
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