「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「群れ咲く立葵」

2013-06-21 11:45:51 | 和歌

 色とりどりの立葵が咲いていた。

 入梅と共に咲き初め、「頂上まで咲き昇ると梅雨が明ける」と、古来言い伝えられてきた立葵だ。現代の気象観測にもとづく天気予報など無い時代の、昔の人々にとっては、貴重な梅雨の目安であったろうと思われる。

 記憶力の悪い虚庵居士であるが、立葵の咲き昇る時期は、確か梅雨明け頃だったと記憶する。梅雨が明けて真夏を迎えると、立葵の花は灼熱に耐えられず、たちまち萎んで花時を終えることになる。頂上まで咲き昇ることと、灼熱に耐えられず花時を終えることは、異なった事象ではあるが、タイミングとしては殆ど同時期だから、立葵に託した古人の言い伝えは、自然を正確に見届けたものと云えよう。

 この写真を写したのは先週だったろうか、頂上部分にまだ莟みを残していることから、梅雨明けにはまだ間がありそうだ。正確な季節情報をもとに商売をするのでなければ、日常生活には凡その季節感で十分だ。 そんな意味からも、立葵は程よい 「花時計」だ。

 


           華やかに咲き昇るかな立葵の

           色とりどりに競ふが如くに


           ひたすらに空を目指して背を伸ばし

           陽を恋ひ咲くかな 立葵の花は


           入梅と共に咲き初め頂きに

           咲き昇りなば梅雨明けとかや


           立葵をいにしえ人は花時計に

           見立てて頼るや梅雨の目安に


           花あれば花と語らひ花を頼り

           花との暮らしを雅と云うらむ







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