「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「下野・しもつけ」

2006-07-16 00:12:26 | 和歌


 だいぶ以前から咲いていた下野だが、初夏の花のかたまりに比べて、梅雨明け近くの花序は随分小ぶりになってきた。

 下野は元来、小さな花がかたまって咲くが、虚庵居士の好みからすれば、これ見よがせに大きな塊りで咲くよりは、小さく控えめに咲くところに下野の佳さがある。緑の葉群のなかにぽっと浮かぶ薄紅の花には、慎ましやかな風情が窺えて心が安らぐ。

 側に咲いていた見かけない花の名前を尋ねたら、ご高齢の主は、「海辺で拾って参りましたが、名前を存じませんで・・・」と、済まなさそうな顔で言い訳をされた。此方が却って恐縮しつつ、下野の写真を取らさせて下さいとお願いしたら、「たいへん名誉なことで・・・」と仰られて、写し終わるまで傍に佇んでおられた。






             控えめな老いたるあるじが躾けたか
   
             慎ましやかなる 下野の花は   



             傍らに咲く花の名を問いしかば 
  
             拾い来たればと あるじは「言い訳] 



             緑なる葉群のなかに下野の
   
             薄紅に浮き立つ花かも    






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2 コメント

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遠くも佳し 近くもよろし・・・   (虚庵)
2006-07-19 22:00:40
サバンナ様に気に入って頂いて

「下野 しあわせヨ!」

との声が聞こえてきます。



下野は、遠くから観るも佳し 近くもよろし・・・。 
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下野の花の愛らしさ (サバンナ)
2006-07-19 21:22:42
いままで、よそのお宅の庭に咲いているのを見かけたことがありましたが、

花の名は知りませんでした。

下野の花、日本的なすてきな名前ですね!



虚庵様の和歌に詠われたお花、

お花も喜んでいることでしょう!



庭の片隅に、ひっそりと可愛らしく咲かせたい花ですネ。

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