雨の合い間に、傘をステッキ代わりにして散歩した。狭い菜園に、豌豆の棚が設えてあって、紅白二種類の豌豆が花を付けていた。
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重なり合った蔓葉を透かしてみると、既に若い「サヤエンドウ」があちこちに吊るさがっていた。程なくして菜園の主の翁がやって来て、若い「サヤエンドウ」を摘むという。翁が「サヤエンドウ」に腕を伸ばすと、蔓葉にたっぷりと湛えられている雫が、一斉に降りかかって、翁の袖はびしょ濡れだが、丹精こめて育てた「サヤエンドウ」を摘み取る翁は、濡れた袖など全く気にならぬ風情であった。
豌豆の蔓葉に湛ふ玉しずく
薄陽さし来てキラメキ満ちたり
百枝なす蔓葉に埋もれる若さやを
翁と探しぬ雫に濡れつつ
若さやを摘み取る翁の衣手は
しとど濡れにし雫落ち来て
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豌豆の紅の花守るらし
白き花びら雫を湛えて
その頃京都にいて、植える畑もありませんでしたので、上賀茂の方で畑を借りてやっている別の友人にその種を託しました。16粒のうち8粒ほどは虫喰いでだめでしたが、あとの8粒は、絹の褥のような苗床で大事に育てられ、見事に花をつけ、実をつけました。
その種の子孫を数年前、その上賀茂の友人から譲り受け、母がうちの畑で毎年栽培しております。
今年も元気に雪の下から現われましたが、他の種類の豌豆は、今年の豪雪のせいかかなり消失しておりました。
やはり、何千年もお墓の中で生き続けた豌豆は生命力が強いのでしょう。。。まだ20センチ程にしか伸びておりませんが、他の種類の豌豆の2倍の成長ぶりです。
花は赤で、この写真の花とさほど変わりませんが、実を包む鞘は紫色で、硬くて食べられません。
我が家では、毎年、その実で、豆ご飯を炊いています。
ツタンカーメンは、ファラオに付いたときの即位名をネブ・ケペル・ラーと言うそうですが、紀元前1300余年にまで遡る悠久の歴史を、りらん様の豌豆が伝えているとは、凄いですね。
当時のファラオと同じ豌豆を頂くりらん様は、あの黄金のマスクの気品に満ちた顔立ちになっておられるのでは・・・。
掲載しました赤い花の豌豆は、矢張り鞘が紫色です。
一時、ツタンカーメンの豌豆は新聞などでも話題になったのですが、どういう訳か、あまり一般的に普及しなかったのは、さほど味が良くないからではないかと、私は勝手に考えております。
何故なら、うちの豌豆を見て、「私も昔作ったことあるけど、あまり美味しくなかったから、もう作らない。。。」という人もありますし、実際、鞘ごと食べられないので、食べにくいこともありますしね(^^)