「小海老草」が、紅白の対で咲いていた。
この花は、離れて見ては面白さが半減する。近寄って見ればみるほど、何ともユーモラスな姿だ。
一枚づつの苞が連なって、如何にも海老殻の屈折に見えるから、思わず口元が綻んで、「ようヤルワイ」と呟きたくなる。
紅白の海老に咲くかもペロペロネに
ようヤルワイと 笑みがこぼれて
小海老草に妻のパスタとワインをも
想ふを恥じいる食い気の爺かな
「紅白の対」とは書いたが、紅海老茶色の部分から淡い色合に変化する様も見応えがあるし、白とは云うものの女郎花色の優雅さも、また格別だ。ユーモラスな部分は花ではなく苞で、本物の花は白く舌を出しているように見える部分だから、苞と花の取り合わせもまた、眼を愉しませてくれる。
それにしても、「小海老草」とはこれ以外にはないと云う命名ではあるが、「草花」ではなく「花木」であることを、先人は蔑ろにしていないか。正真正銘の「潅木」だから、「草」とよぶのは花に失礼というものだ。「小海老花」であれば、花にも人間様にも無理のないところではあるまいか。
控え目に細く咲くかなペロペロネの
慎ましやかな想ひを汲まなむ
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