「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「小海老草・ペロペロネ 」

2009-07-21 01:17:38 | 和歌

 「小海老草」が、紅白の対で咲いていた。

 この花は、離れて見ては面白さが半減する。近寄って見ればみるほど、何ともユーモラスな姿だ。  
一枚づつの苞が連なって、如何にも海老殻の屈折に見えるから、思わず口元が綻んで、「ようヤルワイ」と呟きたくなる。
 



             紅白の海老に咲くかもペロペロネに

             ようヤルワイと 笑みがこぼれて




 


             小海老草に妻のパスタとワインをも

             想ふを恥じいる食い気の爺かな




 「紅白の対」とは書いたが、紅海老茶色の部分から淡い色合に変化する様も見応えがあるし、白とは云うものの女郎花色の優雅さも、また格別だ。ユーモラスな部分は花ではなく苞で、本物の花は白く舌を出しているように見える部分だから、苞と花の取り合わせもまた、眼を愉しませてくれる。

 それにしても、「小海老草」とはこれ以外にはないと云う命名ではあるが、「草花」ではなく「花木」であることを、先人は蔑ろにしていないか。正真正銘の「潅木」だから、「草」とよぶのは花に失礼というものだ。「小海老花」であれば、花にも人間様にも無理のないところではあるまいか。





             控え目に細く咲くかなペロペロネの

             慎ましやかな想ひを汲まなむ






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