「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「六ヶ所村の野花 その3 黄苑」

2009-10-13 12:27:06 | 和歌

 道端の野花と無言の対話をしながら林の縁まで来たら、林の日蔭の中に黄色い小花が、そこだけスポットライトを当てたように際だっていた。

 胸の高さ程の草丈の頂に、小花が群れ咲いていた。半分以上がまだ莟のままで、この花のまさに見頃であった。林が防風林の役割を果たして、ここでは強い風が遮られているが、それでも息つく秋風におおきく揺れて、カメラに中々収まってくれない。

 この時節の高原や寒冷な土地には、「秋の麒麟草」が黄色の小花を沢山咲かせて、虚庵居士を愉しませてくれるが、どうやら別の種類の野花のようだ。
野花に限らないが、花の名前を調べるのは中々の難儀だ。花の姿・形や色だけでなく、葉の特徴なども丁寧に見究めないと間違えかねない。もっぱら花図鑑のお世話になるが、収録している花数もそれぞれに限られているので、何種類かの図鑑を調べないと辿りつけないが、出会った花に応えるための作業ゆえに、難儀ではあるが楽しいヒト時でもある。

 探し求めたこの花の名は、「黄苑・きおん」またの名は「ひごろおみなえし」であった。





             薄暗き林の陰に言いしれず

             恋わずらうや小花の揺れるは







             群れて咲きあまたの備えの莟まで

             黄苑の思いをいかにや酌まなむ


             いや永く咲き続けるはたれがため

             花殻遺して思いを告げるは






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