「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「野蕗の薹」

2006-02-05 02:07:44 | 和歌

 「うつろ庵」に閉じこもる日が続くと、無性に春の息吹を求めて、枯れ野を彷徨いたくなる。

 近くの蕎麦屋で、「そば湯割り焼酎」と「湯葉かけ丼」の昼飯で体を温め、シッカリと身支度を整えて、早春とは名ばかりの野に出でた。久しぶりに来て見れば、なにやら大工事が始まって、何時もの散歩道は物々しいフェンスで遮られ、あらぬ方角まで回り道をさせられた。所どころ残された枯れ野は、緑の色など殆ど見当たらない寒々としたものであったが、幸いなるかな、野蕗の枯れ葉の一叢が残っていた。

 よく見ると、野蕗の薹が小さな頭をもたげているではないか! 
 早春のお土産を、少しだけポケットに頂戴した。


  

 




             北風の東風に変わるを待ちかねて

             枯れ草を踏み蕗の薹摘む




             いとけなき野蕗の薹を手に摘めば

             凍える指も馨しきかな




             枯れ草に隠れて生ふる蕗の薹の

             萌葱の衣のあはれなるかも







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6 コメント

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東京は (漫遊)
2006-02-06 22:20:52
これから雪で春は遠く感じますが

いつもの乾燥した空気が解消されそうでありがたくもあります。
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東京湾の入口と「大奥」 (虚庵)
2006-02-06 22:54:09
漫遊様のお江戸の「大奥」とは、目と鼻の先ほどの近さですが、今夜は雪ですか・・・。



凍みいる今宵は、「野蕗の薹」のほろ苦さを「つまみ」に、雪の夜の酒盛りと参ろうではゴザラヌカ。 虚庵居士は、「鷹の爪」を投げ込んだ「激辛お湯割り」で、既に酩酊気分で御座る。  
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ツウですね♪ (お~どりん)
2006-02-06 23:46:06
そば湯割り焼酎・・・ちょっと味見してみたいような・・・

「野蕗の薹」ってタラの芽のような・・?

なんか食べたくなりました(^_^;)



雪の夜の酒盛りにお~どりんも仲間に入れて

下さ~~~い
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なつかし~い! (ジャム)
2006-02-07 11:20:42
小学校の卒業文集のタイトルが『ふきのとう』だったんですよ。

北陸の田舎の小学校に通っていた私には、ふきのとうは

雪解けの春の記憶を思い起こさせるものの一つです。



決して子供向けの味ではないのですが・・・

それでも、学校帰りに春一番に見つけたふきのとうは、

大事に家に持って帰って、食した記憶があります。

たしか・・・甘みそ味のホイル焼きだったようなぁ



ほろ苦さと独特の香りは・・・大人の味ですよね
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「そば湯割り焼酎」  (虚庵)
2006-02-07 13:11:13
蕎麦屋で呑む「そば湯割り焼酎」は、格別デス。

お~どりん様お一人で注文するには勇気が要るかも?グレコリー様のお相伴をお勧め。

イケマス!!



雪の夜の酒盛りに、お~どりん様も仲間入りとなれば、盛り上がること必定。

大歓迎でゴザル  

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文集 『ふきのとう』 (虚庵)
2006-02-07 13:25:27
いいですね! 卒業文集『ふきのとう』



ジャム様の夢みる思いを綴った文章が、見えてくる思いがします。それにしても、小学校の卒業文集のタイトルを鮮明に記憶されているとは、素晴らしい記憶力! 若さでしょうか 



ジャム様の「甘みそ味のホイル焼」も美味そうですね。てんぷら、つくだ煮もそれぞれ味わいがありますが、一つ二つを生のまま切り刻んで、味噌とお酢で頂くのも好きです。  

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