「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「春女苑・はるじょおん」

2013-05-30 00:20:19 | 和歌

 「春女苑・はるじょおん」は、空き地や野原でよく見かける身近な野の花だ。

 春女苑の莟は、首を傾けて手弱女の風情だが、開花すると首をシャンと挙げて、
お隣のお花とにこにこ顔で戯れる少女に変身する。

 

 それにしても、春の女苑とは随分買い被った名前だと、以前から不思議に思っていたが、野原に群れて咲く情景を観て、納得がいった。

 比較的に小さな花や茎が細い割りには、背丈がかなり伸びるので、微かな風でも揺れて、嫋やかな女性の表情になる。そんな野花の群れ咲く様は、まさに春の女苑と云えよう。先人は野草一つにも、粋な名前を付けたものだと感服する。

 この花とよく似た「姫女苑」も野に咲くが、花の咲くのは「春女苑」より1ヶ月ほど遅いようだ。何れ「姫女苑」も、このブログに登場して貰いたいと念じている。


 


           陽を浴びて笑顔綻ぶ野の花の

           陰には悄気る乙女ごも見ゆ


           切り株と若篠竹に身をゆだね

           春じょおん笑む 声を聞かばや 


           一株の春じょおんには名にし負う

           女苑は見えずも乙女御なれども


           群れて咲きそよ風に揺るる野の花は

           春の女苑のその名の由来か







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