「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「梅花空木の花蜜」

2014-06-14 14:56:39 | 和歌

 「うつろ庵の梅花空木」が、沢山の花をつけてほゞ満開だ。



 梅花空木の花は、小ぶりの五弁の花だが、かたまって花を付けるので、かなりの存在感がある。様々な緑で埋まった
庭では、白い梅花空木がポッと浮き出した様に見える。

 この梅花空木は、「うつろ庵」の庭に根をおろして三年目だ。
初年度の一輪だけの開花にも感激であったが、咲き誇る様に咲いた今年は、また別の歓びを齎せてくれた。

 朝のご挨拶で顔を近づけたら、仄かな気品ある香りが応えてくれた。清楚な花の表情と合わせて気品ある香りが、わたしも「うつろ庵」の住人よ、と誇っているかの様に感じられた。

 そんな会話のさ中に、蜂であろうか或いは虻であろうか、花芯に取りついて花蜜を懸命に吸っていた。
花蜜に命を託す昆虫と、蜜を提供しながら受粉を援けられる梅花空木の自然の営みに、あれこれ想いを廻らす虚庵居士であった。
ほんの些細なことに悦びを感じられるのは、冥境に近づいたということであろうか。




           様々な庭の緑に浮き出だす

           梅花空木の白き花かも


           五・六輪 頬寄せ合って綻ぶに

           乙女等笑うその声聞かまし


           毎朝のご挨拶せむと頬寄せれば

           清しく香る 梅花空木ぞ


           白妙の梅花空木の花蜜を

           黒蜂からだを折りて吸うかな







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