「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「鷺草と想い出」

2015-08-22 16:59:02 | 和歌

 鷺草の写真をお届け頂いて、この類い稀な花の姿に改めて惚れぼれと見入った。



 鷺草に初めて出遭ったのは、かれこれ十数年も昔のことだ。
箱根でひと夏の避暑を過ごしたが、その折、湿生花園を訪ねて珍しい花々や植物に目を瞠った。その中の一つが「鷺草」だった。


                        撮影とご提供 片岡勝子様

 木陰のせせらぎの縁に腰を下ろし、持参した「はがき」に鷺草を水彩で写生した遠い昔が想い出された。

 宿に帰って、携帯用の小さな硯で墨をすり、余白に一首を書き添えた。

 乱れ飛ぶ 水際のサギか
 しろたえの 群れ咲く花の
   すがたけだかし


      箱根
      湿生花園
       八月二十九日
           虚庵写詠


 ニューヨークに棲む娘に、残暑見舞いを兼ねてそのまま送ったのが上の絵葉書だ。その後、拙著「千年の友」を文芸社から出版するに際して、編集者の勧めで見開きの挿入画として組み込んだことなども、走馬灯のように懐かしく想い出された。
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