浜木綿の自生北限は三浦半島だという。虚庵居士の住む三浦半島の横須賀では、自生ではないが彼方此方で何時も見かける「市の花」だ。
浜木綿はかなりの期間にわたって咲き続けるので、細い花びらが枯れて纏わり付き、大抵の浜木綿は見苦しい姿を晒すのが常だ。時期的には遅い筈なのに今日出会った浜木綿は、珍しく新鮮なままの姿で、思わずカメラに収めた。
浜木綿の白妙初しき花びらの
細きが絡みてぼんぼりなすとは
「はまゆう」といえば、宮城道雄の最後の作品が、歌曲「浜木綿」であった。図らずも今年は、彼が事故でお亡くなりになって、ちょうど五十年になる。虚庵夫人が琴を嗜み、お稽古を続けているので殊更に身近に思われ、彼の感性の鋭さには何時も痺れさせられる。
浜木綿は花を咲かせ、人々にひと時の感動を与えて、やがて枯れて散る。今週の初めに若くして亡くなった友人も、爽やかな笑顔を残して旅立った。
宮城道雄に、そして友人にも浜木綿を手向けて、しずかにご冥福を祈りたい。
はまゆうに琴の調べの聞こえ来て
宮城道雄を偲びぬるかも
か細くも紅そむる雄しべかな
白き花びらゆかしく守るは
イギリスやアイルランドなどの古代絵画にみられる「ケルト」の模様が、浜木綿の花の渦巻きにどことなく似ているような気がします。
奥様がお琴を演奏なさるのですか、
夏の暑い日、お琴のさわやかな音は、涼を誘うことでしょう♪
まだ母が健在だったころ、一緒にフルートの演奏会に行ったことがありました。
その時、フランス人のフルーティストが演奏したのが、宮城道雄の「春の海」でした。
流麗なフルートの調べに、ピアノの伴奏。。。
美しい音と、ソフトな舞台照明。。
忘れられません。
お母様との素晴らしい思い出ですね。
「春の海」を聴くたびに、お母様が偲ばれることと思います。