淡い黄色の「ソリドール」が、ひと際鮮やかであった。
花数は深紅のバラが圧倒的に多い中で、梅雨のどんよりした空模様の公園のここだけが、光り輝く
かのような存在であった。
左: ソリドール
右: スイート・ドリーム(英)
殆どのフランス種のバラの中で、数少ない英国種のスイート・ドリームが、石垣に沿って蔓を伸ばし、
小ぶりの花を沢山咲かせていた。
このバラの花は、縮小写真では定かに判別し難いが、花形に特徴がある。周辺の花びらの形は通常の姿だが、中心ほど複雑に入り組んで、何やら人の心を覗き込むかのように思われる。人は折に触れ事に触れ、様々な事柄を胸に呑みこんで、思慮も判断も、ましてやその感情をも勘案すれば、一筋縄ではない筈だ。そんな心の内を覗いて絵に描けば、このバラの花の姿のようになるのではあるまいか。
一輪の薔薇は小さな太陽を
花芯に持つらし輝く姿は
花びらの小さな剣を手にとりて
胸の想いを何に刻まむ
蔓薔薇の花の姿にあれやこれ
こころの内を晒す心地す
左: マーガレット・メリル
何時もは中々お目に掛れないヘリコプター空母「ひゅうが」が、こちら側の岸壁に係留されていた。
「ひゅうが」に最も近い「ヴェルニー公園」のベンチには、青年が読書に耽り、公園の隅には白薔薇の
「マーガレット・メリル」が、馥郁とした香りを漂わせていた。
さる筋の情報では、わが国の「ひゅうが」の存在を中国としては神経を尖らせて注視しているという。
太平洋への海軍の覇権拡張を狙っている彼らにしたら、原子力空母「ジョージワシントン」と共に、軍事力の格差こそあれ、気になる存在には違いあるい。大げさに「戦争と平和」と騒ぎ立てる心算はないが、それぞれがごく当たり前のように存在しているのが、横須賀の、そしてまた日本の現実だ。
岸壁に繋がれたるにヘリ空母は
圧しかかかるかな薔薇観るわれに
公園のベンチに書を読む青年の
目に入らぬらし薔薇も空母も
在るがまま あるが侭なれ物事は
立場を超えれば如何にや視るらむ
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