「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「初椿」

2015-12-02 01:07:31 | 和歌

 山茶花が咲き誇る晩秋だが、師走の声と共に「初椿」の写真を頂いた。
絞入りのおおきな花びらを拡げた容姿は誠にお洒落で、初椿に見惚れるばかりだ。


                        撮影とご提供 片岡勝子様

 椿の品種を確かめようと「椿図鑑」をひも解いた。
「絞系・一重咲き」の分類で、何と250種以上が登録されていた。数種類の良く似た品種に辿り着いたものの、残念ながら特定できるところまでには至らなかった。

 同じ絞系でも一重咲き以外では八重咲き・唐子咲き・牡丹咲き・獅子咲き・千重咲きなど6種類の分類に整理されていて、絞系の椿だけでもざっと1000種以上にも及ぶことを知って、唖然とした。更に8種類にも及ぶ花色・花形別の分類を重ねると、椿の品種数は気の遠くなるような膨大な数になる。

 椿をこよなく愛し、品種改良を重ねた先人の努力の結晶は、品種の膨大な数となり、またそれぞれの花の容姿を追い続けると、圧倒されるばかりであった。


           やわらかな陽ざしに包まれ初椿は

           寛ぐ風情ぞ絞りの衣で


           白妙にいと細かくも散りばめた

           絞りは乙女の衣を染めて


           かずかずの細かな絞りは恋文か

           衣を染めるは思ひのたけかな