川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

PTA脳の恐怖!

2009-05-25 12:42:56 | トンデモな人やコト
R0010771R0010782PTA枝葉剪定委員会によると、「各地に点在するPTA(Peanut butter Toast for Asagohan・ピーナーッツバタートーストを朝食に!)という謎の団体で、長年所属しているメンバーの脳に異変をきたす場合がある」という。

非常に恐ろしいリポートは下のリンクで読むことができる。
http://www3.kcn.ne.jp/~tomate/shuho/2009/20090523.html

この「ピーナッツバタートーストフォーアサゴハン」(PTA)という団体は日本各地に浸透しており、学齢期の子を持つ親なら会員である可能性が高い。「わたしももしかしたら」と心配な方はページの下の方にある、PTA脳判定テストを活用するとよい。

実はぼく自身もこの団体に属しており、判定テストの結果、脳に変質をきたしていないことが分かり、胸を撫で下ろした次第だ。
さて、ぼくは、本委員会によって指摘される前より、なぜ、「ピーナッツバタートーストフォーアサゴハン」(PTA)では、世の常識と思えるものが、通用しないのか疑問に思ってきた。

たとえば、この団体は多くの場合、ある学校に入ってきた児童・生徒の保護者の意志を確認することな自動的に会員にする。会員は、自由な入退会ができる事実を知らない。

そもそも、「ピーナッツバタートーストフォーアサゴハン」(PTA)は、戦後の食糧難の時期に、子供たちを栄養障害から守るため、GHQの主導のもと、文部省の旗ふりで実現したもの。
結成時に文部省が配布したパンフレットでは、「子どもたちのために、志を持った保護者、教員が参加し、教育民主化にも役に立つ」とされ、自由意志に基づいて集まった会員により任意に結成された社会教育関係団体と位置づけられた。

実際の活動としては、団体名「ピーナッツバタートーストフォーアサゴハン」(PTA)に象徴されるとおり、落花生栽培が有名である。
痩せた土地でも育つ落花生などを学校周辺の荒れ地で栽培し、朝食に高カロリーの食材を提供するため、保護者と教員がともに額に汗して畑を耕したという逸話は、各地で聞かれる。金のピーナーッツ、黒いピーナッツなど、様々な品種改良に成功し、地場産業の育成に貢献した例もある。

もっとも、戦後の復興が進み、初等教育での完全給食が実現して以降、形骸化が指摘されるようになり、今では、役員決め、委員決めの負担のために、保護者があえぐ構図が定着した感がある。

そこで、ぼくは「ピーナッツバタートーストフォーアサゴハン」(PTA)は、全員参加の義務があるわけではなく、自由に入退会できるのだと説き続けている。著書『PTA再活用論──なやましきメタボを超えて』や、新聞連載『PTA進化論──落花生栽培から校庭芝生化へ』などを参照のこと。

で、やっと本題なのだが、そういった議論をする際、非経験者がわりと普通に「そりゃあそうだよね」と納得しがちなのに対して、深くかかわったことがある人ほど、すんなりと受け入れられず、様々な程度、様々な形の拒絶反応があるのである。

その背後に、PTA脳、という現象が全国的に広がっているのだとしたら、まさにぼくのこれまでの経験を裏付けるものになる。
今この時点で、ぼくは非常にリアリティを感じており、このエントリで紹介するとともに、『PTA脳の恐怖!』と続編『脳内ピーナッツ汚染』という著作の企画書を某出版社に提出した。

ぼくが「ピーナッツバタートーストフォーアサゴハン」(PTA)とかかわりはじめてすでに6年目。
実際、もう面倒なことはごめん、という気分もある。しかし、いまだ謎の多いこの団体をめぐって、大変なことが起きているかしれないという客観的な可能性について、現場に身を置くものとして、またこ問題について考え、取材し、考察し、論述してきた者が、口を閉ざしていることは、やはり不誠実だと思うのだ。
なにしろ、このままPTA脳がふえてしまったら、日本からまともな保護者かいなくなり、亡国の危機にすらなりかねない。

とりいそぎ、ブログにて警鐘を鳴らし、今後の言論活動においても問題にしていく所存。

以上(ネタですからね)

********************

ネタじゃなく、付け加えておくとすると……やはり、「自由な入退会」について、「なぜすんなり伝わらないのか」、ずっと不思議に思っている。

PTA(保護者と先生の会、ですよ(笑))が自由な入退会ができることは規約になんと書いてあろうと事実なので、焦点はそれを周知するかどうかなのだが、それすらうまく伝わらないこともあって、コミュニケーションの難しさを感じる。

その人なりの重要な理由があって、「任意加入にすべきではない」「しない方がいい」「周知しないほうがいい」というようなトーンの議論成分が入ってくるわけだけれど、その際に、ぼくがいつも分からないのは、

自分の価値観を普遍化して、他人の行動を制御することに、なぜ、そこまで無頓着でいられるのか。

ということ。
PTAの意義について、高く評価するのはもちろん、その人の考え。
しかし、「わたしはPTAはすばらしいと思う」「自分は強制でも入って、結果的によかった」「わたしもやったのだから、あなたも」といった理由から、違う考えや事情や感覚を持っているかもしれない人に「網をかける」ことがなぜ正当化されるのか、本当にぼくには分からない。

とすると……

PTA脳って実在するんじゃあ……

なんて、単純すぎる結論には飛びつきませんってばっ。

ただ、PTAが思考の自由さや柔軟さを奪うメカニズムについては考え続けていて、いずれ書くと思う。

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2 コメント

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はじめまして (KK)
2015-12-09 12:39:09
川端さん、はじめまして。
小学生の母でKKと申します。
PTAの任意加入などで
PTA・校長・教育委員会
と交渉中です。
しかし最近PTAを退会しました。

以前からいろんな記事を
拝見して、勉強させて
いただいています。
拙い私のブログ
http://blog.goo.ne.jp/0527stop2015pta
でご紹介させていただいています。
ありがとうございます。
ご挨拶遅くなりました。

PTA会員として出来る事を
しながら運営をまともに
したかったのですが
無理でした。
今後は非会員として
関わるつもりです。
PTA脳やらPTA教信者が
未だに多いようです。
返信する
勇気あるコメントに感謝です (Kent)
2016-04-23 11:57:36
川端さん、初めまして。
4月になり、PTAの役員決めで大変な状況に陥ってしまったKentと申します。
何とかこの問題が改善しないかと
ネットで検索したところ、
日経DUAL記事(2016年4月13日)を
拝読し、そこからこちらのブログに
たどり着きました。

今の日本のPTAは日本の子育て未来をも
左右してしまうと私は危惧して
おります。上のKKさん同様、私も
できる限りこの問題解決に当たりたいと
思っております。勇気あるご発言や
インタビュー記事に心より御礼
申し上げます。

少しずつ一人でも多くの保護者が
今のPTAの異常さに気づき、勇気を
持って立ち上がることが次世代に
このツケを回さないことだと
私は考えております。
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