PTA再活用論―悩ましき現実を超えて (中公新書ラクレ 294) 価格:¥ 819(税込) 発売日:2008-10 |
この本は、ぼくが現役のPTA会員として、今よりも「よりよい」と思える方向へPTAを持っていきたいと思うが故に書いたもの。すぐには実現するはずもないし、また、これがベストなわけでもない。
そもそもベストなどない。ぼくはゼロから考えていいなら、組織としてのPTAなど作らない方がいいと思っているし、今のPTAが果たしている「いいところ」は別にPTAでなくてもこなせるとも確信している。
だからこの本は、今ここから一歩踏み出すための起爆剤になってほしいと思っている、というのが一番正直なところ。いろんな形の会があってよい。PTAであってもなくてもよい。極端な話、「会」や「組織」ですらなくていい。
それぞれの事情に応じて、考えて進めばよい。
でも「待ったなし」のことがある。
やはり、PTAで忙しすぎたり、心身を病んだり、辛い思いをして、結果的に子どものケアにまでしわ寄せが行ってしまうケースは、なしにしたい。
でも、そう簡単になしにはならないし、そもそも、「被害者」は一人で抱え込んで悶々とするのがほとんどだろう。
以前、相談の窓口として、自治体の社会教育主事はどうか、と書いた。
社会教育主事は、社会教育関係団体としてのPTAについて知識を持っているし、適切な助言をもらえる可能性はそこそこある。気軽に市区町村に電話してみるといい。
けれど、PTAを指導してもらうことはできない。
当たり前だ。PTAは自主独立の団体だから。行政がああだこうだとご言えるものではない。
何か手はないかと考えてみたら、法務局の常設人権相談所というのが、各地にあるのを知った。
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken20.html
電話で相談に乗ってくれるし、もしも、人権侵害である可能性を認めたら調査もしてくれるという。
警察でも司法でもないから、捜査権も強制力もないけれど、フェアな判断を下してくれる可能性はある。
ひとつの窓口として紹介しておく。
追記
会に入りたくない人を、「子どもが行事に参加できなるなるぞ」などと脅して無理に入会させるのも、時と場合によるけれど(状況は千差万別だから)、人権侵害として調査の対象にしうる、そうだ。
でも、相談する前に、ぼくの本を読むなりして「理論武装」しておくのを勧める。また、社会教育主事の見解も聴いておいた方がベター。
ぼくもさっき、ためしに常設人権相談所に電話してみたけれど、たまたまPTA経験のある相談員にでもあたらないかぎり、PTAがどんな場なのか、かなり基本的なところから説明する必要に迫られるだろう。
追記2
自治体の人権相談もあるので、そっちの方が先かもしれない。
ただ、電話ではなく、直接、赴かないと相談できないところが多いかも。
追記3
そういうことは、PTAの中で解決できないのか。
役員の間で相談して解決できないのか。
教育委員会に相談して解決できないのか。
などと、現場をしる人にとっては非現実的な質問を、相談員から受けた。
それがいかに難しいか!
ぼくは、これだけ多くのことを調べてきたけれど、いまだに運営員会で「入退会の自由の確認」すらできていない。
執行側にいる時は同じ仲間の役員を説得できず、非執行側だった時は声が役員に届かなかった。
これ、忸怩たる思いだなあ。
まだ先があるとはいえ。
たまたま問題性に気づいている相談員にあたると、非常に親身になってくれる可能性は高いと思うのですが……。
学校行事に「来賓」と称して、議員を呼んで挨拶してもらうことに、何か意味があるのでしょうか?
地元の自治会長やボランティア団体の方を呼ぶ分には全く抵抗がないし、常に感謝しているのですが、市・県会議員の立場は、市政・県政に携わるもので、「来賓」として挨拶するのは、ある意味「選挙活動」ではないかと…
こんなことを考えるのは私だけでしょうか?
で、実際に学校行事の来賓扱いするかどうかは、学校長の考え次第でしょう。
「行政=お上」としてなのか「市民社会における市民の代表」としてなのか、考え方次第で、けしからんとも、望ましいとも、両方の立場があるのではないでしょうか。
で、けしからんという立場に立った場合ですが……少なくとも、それを禁止する「きまり」はないと思います。
選挙期間中でしたら、それこそ「選挙活動」になるかもしれませんが。
田畑さんの疑問、わたしたちの社会が、行政を「お上」と呼ぶトップダウンの社会なのか、市民が構成するボトムアップの社会なのか、その間でかなり大きな振幅で揺れていることの反映のように感じました。そういう意味で、決して、「わたしだけ」の疑問ではないと思いますよ。
追記
ぼくのとこの小学校でも、議員が来賓としてきますが、実は元PTA会長でもあったりして、議員としてではなく「元」として出席するので、この問題は表に出ることなく回避できちゃっています。
実はこういうケースも多いみたいです。
私も昨年小学校PTAでびっくりすることだらけでバトル&バトル。
よくぞお書きいただけた!と川端さんのお考えに賛同しております。
ところでお仕事でのインタビューなどは受けていただけますか?
本の紹介もさせていただきたいし、おうちでのお子さんに対する
お父さんとしてもお聞きしたいのですが。
もしよろしければ、企画詳細などをお伝えさせていただきますので
弊社HPのお問い合わせフォームでご返信いただけますと幸いです。
お手数おかけして恐縮ですが、よろしくお願い致します。